あすからラマダン 平和を呼びかける 宗教相
宗教省は15日夕、全国32州95カ所で行った新月の満ち欠けの観測結果を協議し、17日からイスラム暦(ヒジュラ暦)1439年のラマダン(断食月)が始まると発表した。東ジャワ州スラバヤの一連のテロ事件を踏まえ、あらためて平和を呼びかける月になりそうだ。
月の観測方法の違いから、イスラム団体ごとに開始日が異なることもあるが、ことしは2017年に続き、インドネシア最大のイスラム団体、ナフダトゥール・ウラマ(NU)、第2のムハマディヤなどが一斉にラマダンを迎えることになった。
ルクマン・ハキム宗教相は15日夜、中央ジャカルタの同省で会見し、東ジャワ州スラバヤでのテロに触れ、「イスラムは平和の宗教であり、(暴力的な)教義とはいかなる関係もない」と強調した。
ムスリムはラマダンの約1カ月間、日中は飲食を絶つプアサ(断食)を行う。日が沈むと家族や友人と共にブカ・プアサ(日没後の食事)を取り、日の出前にはサフール(早朝の食事)でその日の断食に備える。多くの人が喜捨(ザカート)をしたり、モスクで礼拝したりすることでムスリムの一体感を高め、自己修練に努める。
一方、ナイトクラブやバー、カラオケ店など多くの娯楽施設は営業を自粛し、ムスリムに配慮する。
ラマダン明けにはレバラン(断食月明け大祭)があり、多くの人が故郷で家族と共に祝福する。(坂田優菜、写真も)
ラマダン ヒジュラ暦の第9月で、預言者ムハンマドが初めて啓示を受けた月とされる。敬けんなムスリムは期間中、日中の飲食や喫煙、性交渉を断つ。病人や妊婦、月経中の女性、子ども、旅行者らは除く。断食はムスリムの義務「五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)」の一つ。ヒジュラ暦は太陰暦のため、新月の位置を観測してラマダン入りを判断する。