バリ観光業回復に期待 進む経済・文化交流 千葉総領事に聞く

 2017年11月、約半世紀ぶりにアグン山が噴火して以降、観光業の低迷にあえいだバリ島。しかし、5月の中央統計局(BPS)発表によると、ことし3月の外国人旅行者数は前年同月比14.3%増で、噴火後初の増加を記録するなど明るい兆しもある。16年6月に着任、同島の邦人社会発展に取り組む在デンパサール日本総領事館の千葉広久総領事に最近の動向を聞いた。  

 ——観光業の現状は。
 千葉総領事 17年は年末年始の外国人旅行者が大幅に減少し、在留邦人の観光業関係者も大きな打撃を受けた。最近は状態が戻りつつあり、年間を通して17年(約570万人)より増えていけばと思う。17年年間の日本人観光客は25万3千人で、中国、オーストラリアに続きインドにも抜かれてしまった。格安航空会社(LCC)エアアジアの成田空港〜バリ州のングラライ空港間を結ぶ直行便が就航したことはプラス材料になるだろう。
 ことし10月にバリで開かれる国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次会合では189カ国から1万5千人が集中的に来るので、非常にインパクトがある。政府は連動して空港の整備も進めている。(閉幕後の)年末にかけても期待したい。
 ——治安面の注意点は。
 05年に発生した爆弾テロ事件以降は、大きなテロは起きていない。しかし、スリ、ひったくり、置き引きなどの犯罪は依然として発生しているので、注意が必要だ。ことし6月実施の州知事選挙に関係した大規模なデモはあまり起きていない。
 ——日イの開発協力も進んでいる。
 17年11月に富山市や市内の企業が島内のタバナン県で、水車の力でタービンを回す(高効率の)小水力発電設備を設置した。農村地域の電力不足解消を目的として政府開発援助(ODA)で実施し、既存の用水路を利用して発電するので環境にも優しい。システムを利用して、余った電力で精米機を設置する取り組みも進めている。
 また、熊本県などの地方自治体との間でも、さまざまな分野で連携が進んでいる。
 ——邦人社会の現状は。
 17年10月時点の州内在留邦人は在留届ベースで2884人で、前年とほぼ変わっていない。10年前と比較すると倍増だが、頭打ちの感がある。傾向としては、年配の方がリタイアメントビザを取得して滞在するケースが増えている。
 バリには明るく、また落ち着いた雰囲気がある。日本から芸術家が相当数入ってきているし、踊りを学びに来る学生もいる。高校で日本語教育を支援する「日本語パートナーズ」の数も当初の5人から12人にまで増えて、中心部から遠い地域でも頑張っている。文化交流、学び合うという意味で日イ双方にとって良い状態になってきている。
 ——バリの今後の発展について。
 島内北部に国際空港を建設する議論がある。現状では島内南北の経済発展に格差がある。将来、空港ができれば例えばアグン山の噴火で片方の空港が閉鎖になっても対応できるし、物流も進歩する。観光開発も進んでいくだろう。(平野慧、写真も)

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