市警本部で自爆テロ スラバヤ シリア帰国家族4人死亡

 14日午前8時50分ごろ、東ジャワ州スラバヤ市警察本部の入り口ゲートで自爆テロがあり、実行犯の5人家族のうち子どもを含む4人が死亡、近くにいた警察官4人と住民6人が負傷した。国家警察は13日に発生した3教会同時爆破テロなど一連の事件は、シリアから帰国した過激派組織イスラミック・ステート(IS)共鳴者の家族ぐるみの犯行と指摘。2日間の計5回の爆発による死者数は計25人に上った。

 スラバヤ市警本部の監視カメラ映像には、乗用車が入り口ゲートで荷物検査を受けている脇に、5人家族が分乗した2台のオートバイが停車し、警察官がナンバープレートの確認のために近づいた直後に自爆、警察官4人が吹き飛ばされる様子が映し出されていた。
 東ジャワ州警の発表では、同家族の一番幼い子どもが爆発の衝撃で放り出されたが、近くにいた警察官が抱え出して助かった。警察は犯行に使用されたオートバイを押収、一家の身元確認を進めている。
 警察当局は、中央スラバヤ・パンテコスタ教会で自爆テロを実行したディタ・ウプリアルト容疑者(46)を、イスラム過激派組織ジャマア・アンシャルット・ダウラ(JAD)の構成員と特定した。
 教会自爆テロの主犯格とされるディタ容疑者は、妻と息子2人、娘2人を2教会に送り、自爆させた。スラバヤ市南郊のシドアルジョ県の公営住宅(ルスナワ)で、誤って爆弾を爆発させたとみられるアントン・フェルディアントノ容疑者(45)とも親しく、過去にテロ犯が収監されている刑務所に一緒に訪れたこともあるという。
 現地入りしているティト・カルナフィアン国家警察長官は14日の会見で、一連の事件について、シリアから帰国したIS共鳴者による犯行と指摘。ISに忠誠を誓うJADとジャマア・アンシャル・タウヒッド(JAT)の関与に言及し、JATの指導者、アマン・アブドゥルラフマン受刑者=反テロ法違反で禁錮9年、収監中=が、2016年1月のサリナデパート前爆破テロの実行を指示したとして17年に起訴されたことなどへの報復が一連のテロの動機とした。
 またISからの指示があったと指摘。これまでにJADとJAT両組織の構成員約1100人がシリアに渡航したが、うち500人以上がインドネシアに帰国し、一部が国内でテロを起こしているとした。
 ISとの関連について、教会や公営住宅の爆弾で使用された爆発物は、ISが多用する高性能爆薬の過酸化アセトンが含まれていたと指摘。材料は入手しやすいが、少しの揺れでも爆発するなど取り扱いが難しいと説明した。
 東ジャワ州警は、14日午後6時までにスラバヤ市とシドアルジョ県でテロ容疑者9人を逮捕。シドアルジョ県では容疑者4人を射殺した。
 国家警察は14日、全国でテロへの警戒体制を最大まで高めた。ショッピングモールなどでは持ち物検査などが通常よりも厳重に行われている。(中島昭浩)

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