子連れの母親が自爆 スラバヤで同時多発テロ 3教会で爆発 13人死亡、43人負傷

 東ジャワ州スラバヤ市の3カ所のキリスト教会で13日午前7時ごろから同8時ごろにかけて、連続して爆発が起きた。国家警察によると同市出身の一家6人による同時多発自爆テロで、9歳と12歳の娘を連れた母親も実行犯になった。日曜礼拝のために多くの人が集まっており、実行犯を含む13人が死亡、43人が負傷した。国家警察はジャマア・アンシャルット・ダウラ(JAD)などのイスラム過激派組織が関与したとみて捜査している。

 ンガゲル・マディヤ通りのサンタ・マリア教会で最初の爆発が発生。次いでディポヌゴロ通りのインドネシア・キリスト教会で2度目の爆発。アルジュノ通りの中央スラバヤ・パンテコスタ教会の駐車場で3度目の爆発が起きた。3教会はいずれもスラバヤ市中心部にあり、爆発は約30分間で立て続いた。警察官や市民ら大勢がやけどなどの重傷を負い、病院に搬送されて治療を受けている。在スラバヤ総領事館によると、日本人の被害は確認されていない。
 実行犯はスラバヤ市出身の一家で、父親のディタ・プトリアント容疑者はパンテコスタ教会の駐車場に止めた車内で自爆。この妻と9歳、12歳の娘はインドネシア・キリスト教会で、腰に巻き付けた爆弾で自爆した。サンタ・マリア教会には息子とみられる16歳と18歳の男がオートバイに乗って訪れ、爆弾を爆発させた。
 13日夜にはシドアルジョ県セパンジャンの警察署近くのルスナワ(公営住宅)で4度目の爆発が発生。負傷者が出ているもようだ。
 同日午後にスラバヤ市の現場を訪れたジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、「本当に野蛮で人道の限度を超えたテロ行為だ」と強く非難。ティト・カルナフィアン国家警察長官は、イスラミック・ステート(IS)に共鳴する国内の過激派組織、JADやジャマア・アンシャルト・タウヒッド(JAT)の関与を指摘した。
 JATは、2016年1月のサリナデパート前爆破テロの実行を命じたとして反テロ法違反に問われているアマン・アブドゥルラフマン受刑者が率いているとされている。アマン受刑者が収監されている西ジャワ州デポック市の国家警察機動隊本部の拘置所では8日に収監者の暴動が発生、人質となった警察官5人が死亡する事件が起きたばかり。
 アマン受刑者の後継者とされるザイナル・アンショリ容疑者はフィリピンからの武器密輸容疑で逮捕されており、ティト長官は過激派組織が「報復」としてテロ行為に及んだ可能性を指摘している。(木村綾、写真も)

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