「#大統領交代」派決起 モナス前でグッズ販売 現状不満層取り込みへ

 2019年の大統領選で「#GANTI PRESIDEN(大統領交代)」を掲げる市民団体ら数百人が6日、中央ジャカルタのモナス(独立記念塔)広場前で決起集会を開いた。ツイッターやグッズ販売などを通じ、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権への不満を抱える市民に結束を呼びかけ、幅広い層の浮動票取り込みを狙う野党勢力の動きが広がりつつある。

 集会はカーフリーデーの午前9時ごろモナス前で始まり、野党・福祉正義党(PKS)のマルダニ・アリ・スラ氏が大統領交代運動の「宣言」を読み上げた。宣言では「貧困や不平等、中立性への懸念、主権の危機、国のリーダーシップの危機」を表明し、「より良いインドネシア」や「公正な選挙」を説いた。
 また、集会はジョコウィ氏に代わる特定候補の支持を仰ぐ趣旨ではないと強調。あくまでも選挙前に国民を啓発する目的だとした。
 集会ではイスラムの聖典コーランの朗唱に続き、「#大統領交代」と書かれた旗を片手に参加者たちが国歌「インドネシア・ラヤ」を斉唱。巨大な国旗も掲げられた。踊ったり歌ったりと祭りのようなにぎわいで、参加者には弁当や水も支給された。
 Tシャツや帽子、缶バッジなどの「#大統領交代」グッズ販売も盛況を見せた。日本語を勉強しているという西ジャワ州ブカシの男性は「#2019年大統領変わる」と日本語で書かれた自作のTシャツを着て参加していた。
 参加者からは一貫して現政権への不満が聞かれた。バンテン州チレゴン市から参加した40代の活動家女性、イラマワティ・ウマルさんは「現大統領は約束を守っておらず、期待からはほど遠い」と漏らす。「外国人労働者が次々流入している」「インフラは次々建設されるが質が悪く事故が相次いでいる」などと批判を口にした。
 「#2019大統領交代」の呼びかけはツイッターのハッシュタグから始まった。集会では同名のウェブサイト開設が発表され、ボランティア向けの「マニュアル本」も配られた。本にはソーシャルメディアの使い方や関連法規も明記。16年のアホック元ジャカルタ特別州知事への抗議運動で動画投稿者の大学講師ブニ・ヤニ氏が禁錮判決を受ける根拠となった、情報・電子取引法(ITE法)についても注意するよう呼びかける内容となっている。
 カーフリーデーをめぐっては、4月29日に歩行者天国で「#大統領交代」Tシャツ姿の人たちがジョコウィ氏支持者を脅迫する事案が起き、マルダニ氏はこの日、「おそらく私たちのボランティアが行った」と謝罪した。集会は歩行者天国のタムリン通りに面するモナス広場南西門前で行われ、警察・軍は厳戒態勢を敷いた。集会参加者が歩行者天国に入らないよう制限し、カーフリーデーは家族連れなどでいつも通りのにぎわいを見せていた。(木村綾、写真も)

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