子ども2人が死亡 モナス広場 スンバコ配布イベントで
中央ジャカルタ区のモナス(独立記念塔)広場で開かれたスンバコ(生活必需品)無料配布イベントで、11歳と13歳の少年2人が熱中症とみられる症状で死亡していたことがわかった。ジャカルタ特別州のサンディアガ・ウノ副知事は3日、イベントが適切に運営されていたか調査すると同時に同広場でのイベント開催許可制度の見直しを進めていると発表した。コンパスコムなどが伝えた。
イベントは4月28日に開かれ、一部報道によると延べ35万人が来場した。
11歳の少年の母の代理人によると、母子は北ジャカルタ区からイベントに参加。少年はダウン症で家に残しては行けないため、母が少年を連れてスンバコの列に並んでいたが、1時間ほどたった時に少年が人混みに押されて嘔吐(おうと)した。母親は運営委員会に助けを求めたが対応されなかったという。その後、少年は医療テントに運ばれ、近くの病院へ搬送された。集中治療室で12時間治療を受けたが、29日に死亡した。
13歳の少年は北ジャカルタ区出身で、両親の留守中に友人3人とモナス広場を訪れ、その後離ればなれになった。少年は午後3時ごろ、意識不明の状態で倒れているのが見つかり、同じ病院に搬送されたがその後死亡が確認された。少年の父親はオンラインメディアのクンパランの取材に対し、「その日の朝も、『勝手にどこかに行ったらだめだぞ』と言ったばかりだった」と話し、それが息子との最後の会話だったと明かした。
病院側は2人の死因について明らかにしていないが、警視庁は病院の医師の事情聴取後、熱中症が死因と発表した。警視庁は監視カメラの映像などを基に死亡の経緯について捜査を進める。
サンディアガ副知事は3日、「主催団体に、遺族に対する謝罪を求める」とコメント。
また州政府は、来場者数の管理や同イベント後に70トンのごみが出たことなどを踏まえ、主催団体「あなたのインドネシア・フォーラム」に今後、同広場の利用許可を出さない方針を示した。(坂田優菜)