冷蔵庫にハラル認証 シャープ 生産工程と材質を対象

 シャープ・エレクトロニクス・インドネシア(SEID)は3日、中央ジャカルタのアヤナ・ミッドプラザ・ジャカルタホテルで、イスラム学者会議(MUI)からハラル認証を取得した冷蔵庫を発表した。生産工程と材質が認証対象となり、イスラム教徒が安心して食品を保存できるようにした。今後、マレーシアや中東などへの輸出も見込む。
 認証の取得は3月28日付けで、5月以降に出荷される全ての冷蔵庫が対象となる。
 認証の対象は生産工程と材質。まず西ジャワ州カラワン県のカラワン工業団地(KIIC)にある自社工場の冷蔵庫製造工程を変更した。従業員には工場にイスラムで禁じられているものを持ち込まないよう呼びかけ、ハラル環境を整えた。
 材質では、冷蔵庫内部のケースなど、直接食品に触れる部分に豚由来の材質を使用せず、消毒や洗浄にアルコールを使用することを避けた。商品の構想からハラル認証取得までに2〜3年かかったという。
 冷蔵庫でハラル認証を取得しようとした背景には、敬けんなイスラム教徒が多いことを挙げる。国内市場でハラル認証が大きな影響を与えている中で、冷蔵庫は家電の中でも食品に直接触れる機会が特に多く需要があると見込んだ。同社の進める現地に根ざした商品作りを進める戦略の一環で、冷蔵庫販売シェアを2017年の26・6%から大きく伸ばすことを目指す。
 今後はラマダン(断食月)商戦に向けて宣伝に力を入れるなど、同製品を市場に浸透させ、販売を強化していく。輸出にも力を入れる。現在マレーシアや中東など他のイスラム圏各国のハラル認証機関から認証を取得するため、調査をしている段階という。
 また冷蔵庫の経験を生かして、今後はハラル認証取得家電として炊飯器やミキサーを投入したい考えだ。

■新社長「シェア拡大へ」
 会見では4月1日付けで就任した大山貞新社長(48)が今後の目標を示した。
 大山氏は新体制の中長期的なビジョンとして、8Kテレビをはじめとする高性能商品の市場投入▽ローカライズした商品の開発▽国内生産した商品の輸出拡大――の3点を挙げた。
 大山氏は中国やマレーシアで製造・販売両方に関わってきた経験があり、3月までマレーシア現地法人の社長を務めた。インドネシアを「シャープにとってポテンシャルの高い重要な市場」とし、現在首位の冷蔵庫、洗濯機、エアコンのさらなるシェア拡大を目指していく意気込みを語った。(泉洸希、写真も)

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