東アチェで油井火災 18人死亡、41人負傷 原油の違法採掘中
25日午前1時半ごろ、アチェ州東アチェ県の原油の採掘現場から出火した。違法に掘られた油井とみられ、国家防災庁(BNPB)によると、少なくとも18人が死亡、41人が重軽傷を負った。火は近隣の民家に燃え広がり、発生から19時間後の午後8時半現在も鎮火しておらず、村はパニックに陥っている。
現場はラント・プルラック郡パシルプティ村。BNPBによると、地下約250メートルを掘ったところ、25日午前0時ごろに油が出始めたため、油を回収しようと住民らが集まっていた。午前1時半ごろ油井付近から突然火花が出たという。詳しい火災原因は調査中。
消防は午前2時半ごろに消火活動を開始。消防車4台が出動し、国軍、警察、緊急対応チームらが支援活動を続けている。
現場の映像からは、高さ約10メートル以上の火柱が噴き上がり、これまでに周辺の民家5棟が焼けた。死傷者の多くは近隣住民とみられ、負傷者41人は周辺の3病院に搬送された。
アチェ州警によれば、現場は違法採掘の油井という。
現場周辺ではかねてから違法な原油採掘が行われていたとみられている。環境団体ワルヒは英字紙ジャカルタ・ポストに対し、同郡での違法原油採掘を2012年以来自治体に報告してきたが、対策を取らなかった結果、その後も違法採掘が続けられたと指摘。政府に早急な対策を求めた。(木村綾)