いつか、きれいな川に 西ジャワ・チタルム川 「燃やすしかない」

 チタルム川の汚染源は工場廃水だけでない。川辺のあちこちで見られるのが、住民たちがごみを燃やす光景。バンドン県ランチャマンヤル村でも、家庭やワルン(食堂)から出たごみを土手で燃やすのが習慣になっている。
 「燃やすしかないんだ」。ドドさん(52)は12年前から、手押し車で付近の約80世帯を回り、各家庭のごみを回収しては、この土手で燃やしている。
 近隣の西バンドン県にごみ処理場があるが、この村にはごみ収集車が回ってこない。毎日家庭で出るごみは2袋ほど。ドドさんらは各家庭から1回数千ルピアを受け取ってごみ収集を請け負い生活しているという。
 たばこの空箱、果物の皮、ビニール袋、ペットボトル……袋からごみを出し、手慣れた様子で廃タイヤの切れ端にライターで火を付ける。そうしてできた燃えかすや灰が何年分も積み上がった川岸の一角は「ごみの土手」と化し、ハエがたかっていた。
 こうしたごみは雨が降り、水かさが増せば川に流れ込む。洪水の後には川いっぱいにごみが現れる光景もしばしば見られるようになった。
 自治体の呼びかけに反して、川岸や川にごみを投棄する住民は依然多い。西ジャワ州環境局・環境汚染管理課のエファ・ファンドラ課長は「ごみを捨てたり燃やしたりする習慣が根付いている。住民の教育にはまだ何年もかかると思う」と話す。産業廃水に生活排水、ごみの野焼き、投棄……水質浄化への課題は山積みだ。「だけどいつかは、『世界一汚れた川』を『世界一きれいな川』に変えたい」(木村綾、写真も)

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