【火焔樹】 お風呂の入り方

 以前に、インドネシア人のマンディー(沐浴)の仕方について触れたことがある。皆必ず頭から水をかぶる。日本人は熱いお湯を肩越しからかけて熱さを確認しながら入るので、このやり方にはちょっと驚いてしまう。
 誰に聞いても必ず冷たい水をザブッと頭からぶっ掛けるという。その理由はと問うても、そういう習慣だからという返事しか返ってこないので、あえて深追いはしないことにしたが、きっと、冷たい水をこれからかぶるには、心の準備などはせずに一気に頭から水をかけた方が勢いがついて良いということなのかもしれない。
 しかし、母の介護をしていたころ、インドネシア人の介護士の女の子たちも母をお風呂に入れる際、シャワーのお湯をいきなり頭からかけていたので、一概に冷たい水だから頭からかけるとは言えないようである。やはり、習慣としか言いようがないのかもしれない。
 介護の仕事を展開していく計画がある私は、このお風呂の入り方について考えてみた。日本では熱いお湯の中に浸かり、疲れを癒していくのが通常である。要介護者用には専用のバスタブがあり、お風呂に入れる選任の介護士がいるほど、日本人の習慣に忠実なお風呂の入れ方に気を使う。私の介護士学校の生徒に、「自分でお風呂に入れない要介護者をどうやってお風呂にいれるのか」と質問してみたら困惑していた。さすがに、寝たきりの人にいきなり冷たい水を頭からぶっ掛けるわけにはいかないことに気が付いたようである。
 日本では訪問入浴などが重宝がられ、ボイラー付の専用車に折りたたみ式の風呂桶を積んで要介護者の自宅まで赴き、入浴のプロと呼ばれるスペシャリストが対応する。本人のみならずご家族の方々にもとても喜ばれているようである。インドネシアでも温かいお湯できめの細かい入浴サービスを行いたいと思っている。
 お風呂の入り方は違っても、寝たきりの人に温かいお湯でこんな日本式のきめの細かいサービスをすれば、必ず多くの支持を受けるだろう。皆の喜ぶ顔を早くみたい。(会社役員・芦田洸)

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