新滑走路今月着工へ スカルノハッタ 海上に第2空港建設案

 国営空港管理第2アンカサプラはこのほど、スカルノハッタ空港(バンテン州タンゲラン市)に新設する第3滑走路を今月中に着工する予定と明らかにした。2月末時点で土地収用が完了したのは216ヘクタールのうち約半分の105ヘクタール。収用済みの土地から工事を開始する。2025年には年間利用客1億人を見込む同空港では混雑解消のため、海上の埋立地に第2空港を造る案も浮上している。
 第3滑走路は、大型旅客機ボーイング777などが発着できる幅60メートル、長さ3千メートル。完成後、航空機の1時間当たりの離発着数は現在の最大80便から114便まで増加する。駐機場(エプロン)なども建設するほか、17年12月には航空機が地上走行で第3滑走路へ移動するための誘導路の建設を開始した。
 第2アンカサプラのヤド・ヤリスマノ広報官は「新滑走路は3月中に着工する」と説明。工期は1年4カ月間で、19年の使用開始を目指す。投資総額は5兆9千億ルピアで、うち4兆ルピアは国家予算、残りは第2アンカサプラが負担する。
 滑走路は第2、第3ターミナルの北北西約500メートルの地点に建設予定で、必要な土地は216ヘクタール。第2アンカサプラによると、約43ヘクタールは同社が所有しており、残り約173ヘクタールで土地収用を進めている。
 土地収用が完了したのは、タンゲラン市のブンダ村(25・7ヘクタール)▽スラパジャン・ジャヤ村(10・9ヘクタール)▽タンゲラン県トゥルック・ナガ郡ボジョン・レンゲ村(10ヘクタール)――の3村。
 一方、同県コサンビ郡ラワ・ブルン村(60・7ヘクタール、土地収用完了14%)と、同郡ラワ・レンナス村(65・9ヘクタール、同12%)の2村では難航している。立ち退きに反対している住民がいるほか、収用対象となった各土地の地権者が明確でないことなどから裁判所で係争中の住民もおり、時間がかかっているという。

■実現可能性調査も
 第2空港は、現在の空港東に位置するタンゲラン県コサンビ郡ダダップ海岸沖の人工島に建設される計画で、広さは約9千ヘクタール。同海岸沿いでは七つの人工島を建設予定で、うち四つ目を第2空港に充てるという。
 バンテン州のワヒディン・ハリム知事は、地元メディアに「とても良い計画だ。失業率の改善など地方の発展にもつながる」と前向きな姿勢を示している。第2アンカサプラのムハンマド・アワルディン社長は、公共事業・国民住宅省がすでに実現可能性調査に着手、6月にも終える予定としている。
 同空港では16年8月、新第3ターミナルが開業し、旅客対応能力は年間5200万人に拡大したが、17年の旅客数は、前年比8・3%増の6302万人を記録。今後も利用客は増加が見込まれ、空港拡大を急いでいる。
 空港サービス整備にも注力しており、17年にはターミナル間を結ぶ全自動無人運転車両システム(APMS)スカイトレイン、ジャカルタ特別州と同空港を結ぶ空港鉄道の運行が開始された。(毛利春香)

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