元宵節、雨の中盛大に ボゴールでパレード
西ジャワ州ボゴール市で最も古い中国寺院「福徳廟」周辺で2日、チャップ・ゴ・メ(元宵節)を祝うイベント「ボゴール・ストリート・フェスティバル」が開かれた。チャップ・ゴ・メは福建語で「15日の夜」を意味し、イムレック(春節、中国正月)から15日目を祝う華人の伝統行事。雨の町と呼ばれるボゴールらしく雷雨が続いたが、華人にとって雨は縁起物。道路を埋め尽くした観客たちは歓声を上げながらパレードを楽しんだ。
パレードが開かれたスルヤクンチャナ通り〜シリワンギ通り(約2キロ)はこの日、午後2時ごろから閉鎖。警察官ら約千人が警備に当たった。
国内各地から集まった千人以上がパレードに参加。中国文化を象徴する登り龍や神輿(みこし)はもちろん、地元西ジャワ州のスンダの伝統文化のほか、東ジャワ州ポノロゴやマドゥラ島、北スラウェシや西スマトラ、西ヌサトゥンガラ、バリ各州などから踊り子らが通りを練り歩いた。華やかなパレードを一目見ようと、道路沿いは観客で埋まった。
福徳廟では食事も振る舞われ、参拝に訪れた華人や観光客らがにぎやかに食事を楽しんだ。
ジャカルタから初めて訪れたというクスモさん(48)は「雨の中こんなに人が集まるなんて驚いた。さまざまな文化が一堂に集まるイベントを、多くの人と一緒に楽しめる貴重な機会だと思う」と話し、雨の中パレードを満喫していた。
同フェスティバルは毎年、民族や宗教にとらわれずボゴールの市民や学生ボランティアらが中心となって開催してきた。元宵節を祝うだけでなく、観光地としてのボゴールの魅力やインドネシアの多様性をアピールする一大イベントとなっている。
同フェスティバル実行委員会のアリフィン・ヘマワン代表は「ボゴールでは100年以上前から、元宵節を祝ってきた。ボゴールの住民の一体感を高めるとともに、今では誰もが楽しめるイベントになったと思う」と話した。(毛利春香、写真も)