ゴジェックに1億5000万ドル アストラ、デジタル産業に参画

 アストラ・インターナショナルは12日、配車アプリや電子決済などのサービスを展開するゴジェックに対して1億5千万ドルを出資すると発表した。アストラが新興のスタートアップに多額の出資をするのは初めてで、中長期的に見てグループの収益構造に変化をもたらす可能性もある。
 国内の二輪、自動車事業で絶対的な強みを持つアストラは、幅広い顧客基盤を持つゴジェックとの協業により、事業の裾野をさらに広げていくことを目指す。また、協業の方針として「新市場に革新的な製品とサービスを提供するために提携していく」としており、デジタル産業を活用した新たなビジネス領域に踏み出していくことも検討している。
 ゴジェックは若年人口の多さや、スマートフォンの普及などを背景に事業を急拡大している。全国に100万人以上のドライバーがおり、12万5千のビジネスパートナーを擁する。
 人的資源を活用して配車事業のみでなく、プラットフォーム上で依頼するだけで宅配、クリーニングなどのサービスを受けることが可能なサービスを打ち出して利用者層が広がった。
 支払いシステム電子決済サービス「ゴーペイ」や電子商取引(EC)事業者との連携にも注力する。
 事業の成長性を見込んだ財閥ジャルム・グループから1億〜1億2千万ドルの出資を受けたほか、18年1月には米グーグルやシンガポール政府系ファンドのテマセク・ホールディングスなども出資すると明らかになった。
 ゴジェックは一連の資金調達の結果として、総額12億ドルを目指す。サービス内容を拡充するほか、パプア地域にも進出する方針を表明している。(リンダ・シラエン、平野慧)

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