雲間から赤銅色の月 ジャカルタ 約10秒間、歓声上がる
約3年ぶりの皆既月食となった31日。特に今回は、スーパームーン、ブルームーンが重なる「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」が観測できるとあって、中央ジャカルタ・タマン・イスマイル・マルズキにあるプラネタリウム周辺の広場には多くの人々が集まった。
ジャカルタ特別州では、部分月食が東北東の空で午後6時48分(インドネシア西部時間)に始まった。続いて午後7時52分〜同9時8分の1時間16分、皆既食が続き、同10時11分に部分食は終わった。
プラネタリウム周辺では午後8時10分ごろ、赤銅(しゃくどう)色のスーパー・ブルー・ブラッドムーンが雲の切れ目から姿を現した。周囲から「ウォー」という歓声が上がったが、わずか10秒前後で再び曇に隠れた。
「今は曇りで残念だけれど、きょうは本当に珍しいスーパー・ブルー・ブラッドムーンが見える貴重な日」と目を輝かせながら話したのは、オンライン旅行会社勤務のアディセティヨ・パンドゥウィラワンさん(26)。天文学愛好家の集まりに所属し、同プラネタリウムから借りた望遠鏡を待機させていた。
アディセティヨさんは、2007年8月の高校2年生の時、同じ場所で皆既月食を見て心を奪われたという。大学はバンドン工科大学に進み、物理学を学びながら天文学のコースも取った。「皆既月食はそこまで珍しくないが、三つの現象が重なることはとても珍しい。10年前にここで感じたあの感動する気持ちをまた、味わうことができれば」と話した。
国立航空宇宙研究所(LAPAN)によると、次回の皆既月食は7月28日。(上村夏美、写真も)