すしロボットに商機 日本食人気追い風 鈴茂器工

 日本ですしロボットのトップシェアを誇る食品加工機械製造の鈴茂器工(本社・東京都練馬区)はインドネシアでの販売を強化する。中間層の拡大を背景に日本食の普及傾向に対応し、飲食店や小売店、食品工場向けにアピールしていく。

 すし製造のためののり巻き用やシャリ玉形成用のロボットなどをレストランやスーパー向けに販売する。米国に現地法人、シンガポールに合弁会社を設置して欧米や東南アジアで広く販売してきた。日本国内の市場開拓が進んだ現在、同社売り上げの約2割を海外向け販売が占める。インドネシアでは代理店を通じ、販売している。
 同社海外営業部の宮下敬司さんは、インドネシアを「東南アジアではシンガポールやマレーシア、タイに続く市場」と位置づける。
 インドネシアには回転寿司店などはまだ少なく、「まだこれからの市場で、販路を拡大していく」段階だが、今後日本食の普及が進み、また料理人の人件費が高騰していくにつれてロボットの需要は増えていくと見込む。「(すしの)品質向上や安定、衛生管理の面でもロボット導入をアピールしていきたい」と話した。
 1955年創業の同社は、もなかにあんを詰める機械を製造していたが、81年に世界初となるすしロボットの開発に成功。その後もおむすび成形機や炊飯システムなど、食文化の変化に合わせて技術革新してきた。

■成長市場としての期待
 鈴茂器工など日本国内の食品機械製造業などが所属する日本食品機械工業会の業務課で、海外部門を担当している河内英二さんによると2017年の食品機械の輸出額は385億円程度で、その約70%が中華圏をはじめとするアジア向け。インドネシアは約10億円で全体の2.6%にすぎないが、「日本国内の市場の大きな成長が見込めない今後を考えて、中国の次にくる販売先として食文化が近く人口も多いインドネシアをはじめとする、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国を重視する企業が増えている」と話した。
 代理店や商社を通して財閥系企業などに販売するケースもあるという。日本の食品、飲料会社が工場を設立する際に日本製の機械を導入するケースも多く、今後の広がりが期待される。(坂田優菜、平野慧)

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