水質改善、日本が支援 西ジャワ州チタルム川 大統領「7年越しで取り組む」

 汚染が長年問題視されてきた西ジャワ州チタルム川の水質改善を目指し、日本政府がことしから支援に乗り出す。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は今後7年間かけて抜本的に浄化に取り組む構えで、日本に協力を要請した。まず年内に水質研究のノウハウ伝授や住民への啓発活動で協力し、日本の排水処理技術の活用も検討していく。

 チタルム川は西ジャワ州を縦断する州内最長の269キロの川で、ジャカルタ特別州の飲料水の8割をまかなう水源となっている。
 だが下流のバンドンに集まる繊維工場からの排水や生活排水、ごみの投棄などで水質が悪化。同州環境局によると、基準を満たす廃水処理設備がある工場は全体の1割にすぎない。雨が降れば川沿いに廃棄された大量のごみが川に流れ込み、一部で川に堆積したごみの上を人が歩けるような状態になるなど汚染が深刻だ。
 ジョコウィ大統領は16日、西ジャワ州バンドンで閣議を行い、チタルム川の浄化に着手すると発表、「上流から下流まで、完了には7年かかる見込みだが、やらなくてはならない」と訴えた。全省庁や地方自治体が一体となり、警察や軍とも連携し本腰を入れて取り組むと強調した。
 日本政府はこれまで、円借款を通じてチタルム川の洪水対策や治水事業を行ってきたが、水質改善での協力は初めて。昨年12月にルフット・パンジャイタン海事調整相が訪日した際、中川雅治環境相らに支援を要請していた。
 日本側は現在、2月にインドネシア人若手研究者8人を日本へ招き、水質研究ノウハウなどを伝授▽6月までに日本の排水処理技術などを紹介するセミナーを実施▽年内に住民への啓発目的の環境ワークショップを開催――などの支援を予定。水質調査の支援や専門家の派遣も検討する。
 19日には来イした武部新・環境政務官がジョコウィ大統領やシティ・ヌルバヤ環境林業相、海事調整省幹部らと相次いで会談し、協力に向けて話し合った。武部氏は20日、バンドン周辺で同川を視察。視察後、じゃかるた新聞の取材に「生活排水やごみ処理、工場排水などいろんな問題を抱えているなという印象。重要課題だと認識した。まずは(人材育成など)ソフト面でどういったお手伝いができるかをしっかり検討し実施していきたい」と語った。 
 西ジャワ州政府は近年清掃活動や住民への啓発に取り組み、「川のごみの上を歩ける」状態からは脱け出した。川周辺へのごみ投棄を改善するには、ごみ処理方法も見直す必要があり、海事調整省のサフリ・ブルハヌディン次官は「日本にはごみ発電や廃棄物管理の面でも支援を期待したい」と話している。
 だがこのごみを生活の糧にしている住民もいる。バンドン県ボジョン・チトプス村のイパさん(66)もその1人で、川で集めたプラスチックごみは業者が1キロ2千ルピアで買い取るという。「稼ぎはわずかだけど、私には夫がいないし、もう10年以上この暮らしを続けている」と話す。
 サフリ次官は「川のごみがなくなれば彼らの仕事もなくなる。ただ川をきれいにすれば良いという単純な問題ではない。畜産や養鶏、川の清掃など新たな仕事を用意する必要があるだろう」と指摘した。(木村綾、写真も)

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