バルコニーが崩落 証券取引所 ロビー騒然、77人負傷

 15日午後0時10分、南ジャカルタ・スディルマン通り沿いにある証券取引所(IDX)ビルのタワー2で、1階ロビーの吹き抜けにある中2階のバルコニーが崩落し、会社員や同ビルの見学に訪れていた大学生ら77人が重軽傷を負った。日本人の負傷者は報告されていない。昼食時でロビーには大勢の人がおり、外に負傷者を運び出したり、パニックになって飛び出したりして一時騒然となった。同取引所では通常通り取引が行われた。 

 取引証券所には2棟のビルがあり、事故が起きたのは高さ140メートル・32階建てのタワー2。1階ロビーを見下ろす高さ約3メートルの中2階にある吹き抜けのバルコニー部分が崩落した。
 1階には米コーヒーチェーンのスターバックスや現金自動預払機(ATM)などがあり、スターバックスの飲食スペース付近に崩れ落ちた。コンクリートの塊やバルコニーに敷かれていた大理石、鉄骨などがロビーの床に散乱し、バルコニーが接続されていた壁がむき出しになった。
 事故発生時、現場近くにいた警備員らによると、ドーンと大きな音がした後、走ってビル内から外へ逃げようとする人たちで一時騒然となった。けがを負った人は外へ運ばれ、ロビー前では横になって救助を待つ人々であふれかえった。
 崩落発生時、南スマトラ州パレンバン市のビナ・ダルマ大学の学生と教員約50人が、証券取引所の見学でタワー2を訪れていた。同大のアルフィタさん(20)は他の学生らと共にエスカレーターで中2階へ上がり、エレベーターを待っていたという。「大きな音が聞こえたと思ったら、床が抜け、下に落ちた」と当時の様子を振り返った。
 アルフィタさんは「こんなことが起こるなんて誰も思っていなかった。打ち付けられた頭が痛かったが、動ける人たちで協力して、他のけが人を助けた」と話した。アルフィタさんのスカートには血痕がついたままだった。
 負傷者はシロアム・スマンギ病院やジャカルタ病院、プルタミナ中央病院、ミントハルジョ海軍病院へ運ばれた。日本人の負傷者は報告されていない。
 警視庁はバルコニー崩落の原因はテロではないとの見方を示した。
 証券取引所ビルのタワー2は1998年に完成。タワー2では2000年9月、地下3階で爆弾テロがあり、10人が死亡した。現在は世界銀行や国際金融センター(IFC)などが入居している。17年5月に建物全体の点検が実施され、安全性に問題はないと報告されていたという。(毛利春香)

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