チリウン川で遊ぼう! 川をまたぐレジャー施設
「未来のチリウン川へとつながる教育の場に」――西ジャワ州デポック市内のチリウン川清掃ボランティア団体「コミュニタス・チリウン・デポック」がこのほど、同川(幅34メートル)に架かる橋の下にワイヤーロープを伝って滑り降りるレジャー施設「ジップライン」を製作した。「ロープ上から川全体を見渡すことができる。遊びを通して、チリウン川を好きになってもらい、自分たちの川への保護意識が高まることを期待する」と、同団体創設者のタウフィック・デスさん(61)は話す。
ジップラインは長さ120メートルと40メートルの2本あり、同団体メンバーの経験者が製作した。2017年12月から作業を開始、今月6日に開業した。「チリウン川は汚い」というイメージから、遊びの場として皆に好まれる場所にしたい考えで、今後さらにラフティングなど、川での活動を増やしていく予定だという。
同団体はジップラインのほか、同市パンチョラン・マス郡の高架下に地域の人が集い、子どもたちが川や自然保護について学べる広場を作ってきた。また、川沿いにはブランコを設置したり、浮き袋を提供したりなど、川で遊べる環境を整えた。
西ジャワ州ボゴール県からジャカルタ湾に注ぐチリウン川は全長120キロ。デポック市はちょうど中間に当たる。ジャカルタへと流れていく川を少しでもきれいにしたいという思いで清掃活動を行ってきた。12年、高架下に地域の人が集うことができる広場を作った。広場は15年に政府によって改善され、道が整備された。その際、川の清掃だけではなく川を活用した子どもたちへの教育の場を作ろうと広場を改善した。小さなボートを使った川でのアクティビティーを実施したという。
現在、高架下の広場では週末、中高生などが集まって川の清掃を行ったり、川で遊んだり、ごみからいすや敷物を作るなど、さまざまな活動が行われている。また、広場には環境について書かれた絵本などが並ぶ小さな図書コーナーもある。タウフィックさんは、「清掃活動には限界がある。長い目で見た子どもたちへの教育が大切だと思った。ここを、チリウン川をはじめとする自然の保護教育のための公園にしていきたい」と話した。(上村夏美、写真も)