児童殺害で死刑判決 パレンバン地裁 「残虐で極めて卑劣」
南スマトラ州パレンバン市でことし5月、女子児童(8)を性的暴行後に殺害したとして、計画殺人罪などに問われたイルサン被告(33)の判決公判で、パレンバン地裁(スブル・プラセティヨ裁判長)は6日、「残虐かつ極めて卑劣な犯行。家族や社会にトラウマを植え付けた罪は重い」と死刑を言い渡した。地元メディアが報じた。
極刑を言い渡されたイルサン被告はぐったりした様子。対照的に傍聴席の遺族らは歓声を上げて同裁判長に感謝したという。
計画殺人、児童保護法違反(強姦)両罪で死刑を求刑していた検察側は「再発を抑止する事例となる」と判決を歓迎した。
弁護側は即日控訴せず、1週間の猶予期間内に判断する。
判決などによると、イルサン被告は、共犯のアンドレアス被告(19)=公判中=と犯行を計画。5月19日午後2時ごろ、パレンバン市クルタパティ郡クマン・アグン村で、被害者に「祖母が呼んでいる」と声を掛けてイルサン被告の親族宅に連れ込み、暴行中に抵抗されたため絞殺した。
遺体は袋に入れた状態で親族宅に隠し、ムシ川に遺棄する計画だったが、実行前の同23日に逮捕された。
同日に逮捕されたアンドレアス被告に対する求刑は禁錮20年。6日には弁護側の最終弁論が、イルサン被告の判決公判後に行われた。今月15日までに判決が言い渡される予定。(中島昭浩)