有名レストラン撤去へ 80年開業のリンドゥ・アラム 道路拡張・緑地化工事で ボゴール県プンチャック

 西ジャワ州ボゴール県チサルア郡の観光地、プンチャックのシンボルとして知られてきたレストラン「リンドゥ・アラム」が近く撤去されることになった。ラヤ・プンチャック通りの拡張、緑地化工事のためで、歴代大統領も足を運んだ有名店が37年に及ぶ歴史に幕を下ろす。
 同レストランの場所にはオランダ統治時代から石造りの建物があり、「リンドゥ・アラム(自然を慈しむ)」と呼ばれ親しまれてきた。スハルト大統領らと親しかったイブラヒム・アジ中将が、西ジャワ州政府が所有する同地を借り、1980年に現在のレストランとしてオープンさせた。
 美しい茶畑を見ながら食事ができる場所として有名になり、歴代大統領のハビビ、グスドゥル、メガワティ、ユドヨノ各氏やユスフ・カラ副大統領も訪れた。
 レストランのスタッフ・リーダー、ジュアンダさんによると、地元スンダ料理などを提供。「自然の中でリラックスできると1年中を通して、外国人観光客も多数足を運ぶ名所になった」と話した。
 一方、避暑地として人気の高いプンチャックと、ボゴール市をつなぐラヤ・プンチャック通りでは、渋滞問題が年々深刻化。同レストランも、渋滞や他店の影響で客を減らした。
 渋滞緩和のため、ボゴール県は現在、同通りの拡張工事を進めており、違法に建てられた道路脇のワルン(屋台)や店など約500棟を撤去する計画だ。レストランのある場所も緑地化計画の対象地となっている。
 レストランなどに立ち退きを命じたバンドン高裁判決に従い、11月30日には同地を同州政府に引き渡す約束だった。しかし、レストランは3日も営業を継続しており、スタッフはじゃかるた新聞の電話取材に「閉店の指示は経営者から出ていない。いつ閉店するか分からないが、多くの客が来るので、引き続きもてなしている。予約も受け付けている」と説明した。
 これに対し、ボゴール県警は、高裁命令執行のため10日ごろまでに1回目の警告を発するとしている。その7日後に2度目、さらに3日後に最後通告を出し、応じない場合は翌日に強制的に取り壊すという。(毛利春香)

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