サイクロンで死者27人 ジャワ、バリ島週末も警戒続く
スマトラ島沖で11月29日に発生した熱帯低気圧(サイクロン)「ダーリア」は12月1日、インドネシア海域から離れるように進行しているが、ジャワ島全域やバリ島で警戒が続いている。ジャワ島西端のメラック港とスマトラ島南端のバカウヘニ港を結ぶフェリーは11月30日に一時運休となった。一方、ジャワ島南沖で27日に発生したサイクロン「チュンパカ」による豪雨の影響で計27人が死亡した。
ダーリアによる悪天候の影響で、メラック港とバカウヘニ港を結ぶスンダ海峡を通るフェリーは30日午後6時から12月1日午前3時まで運休した。物流が滞り、物資を載せたトラックなどで港は混雑した。
また中部ジャワ州プカロンガン県北プカロンガン郡では1日、洪水被害が拡大し、少なくとも7村から1300人の住民が避難している。
気象庁によると、ダーリアは1日午後1時、中部ジャワ州チラチャップ県の南南西290キロに位置し、インドネシア海域から離れるように南東の方向に進んでいる。引き続きブンクル州、ランプン州、ジャワ島全域、バリ島で、豪雨や強風、高波に注意するよう呼びかけている。
国家防災庁(BNPB)によると、チュンパカに伴う豪雨の影響で、11月27日から洪水や地滑りなどが多発し、東ジャワ州パチタン県やジョクジャカルタ特別州などで計27人が死亡した。同特別州では7人が死亡したほか、道路や橋などが損傷した。中部ジャワ州クブメン県カランボロン海岸では12月1日午前8時ごろ、釣りをしていた2人が高波にさらわれ、行方不明となっている。(木村綾、毛利春香)