市場参入の機会模索 産業人クラブの40人が来イ 機械から環境分野まで

 日刊工業新聞社が事務局を務める産業人クラブに加盟する中小企業経営者ら総勢四十人の視察団(団長・増田文治マスダック社長)が、四―九日の日程でインドネシアを訪問している。日本市場の縮小傾向が一層鮮明になり、日本企業の海外進出が加速する中、昨年十月に大手経済紙のビスニス・インドネシアとの提携を発表し、インドネシアを海外戦略のモデルケースと捉える同社が募った本格的な海外視察団は初めて。日本産業人クラブ連合会会長を務める同社の井水治博社長も同行し、機械、電子部品、自動車用金型から、建設、エネルギー、環境分野まで幅広い業種の企業経営者が、インドネシア市場への参入を模索する機会と捉え、官民の関係者から情報収集を行っている。

 視察団は五日に東ジャワ州スラバヤで同州のプレゼンテーションを受け、午後には現地企業を視察。六日にジャカルタ入りした。
 同日、日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所、南ジャカルタの工業省でインドネシアの経済情勢などについての説明を受けた。
 工業省での説明会には、インドネシア側からヒダヤット工業相、ブディ・ダルマディ最先端技術活用主要産業総局長、同総局のシャリフ・ヒダヤット事務局長、インドネシア日本友好協会(PPIJ)のラフマット・ゴーベル会長が出席。井水社長は「グローバル化が進む中で(日本の企業にとって)厳しい状況が続くが、日本のものづくりはこれからも発展し続けなければならない」とあいさつし、海外に商機を求めていくことが不可欠と強調した。
 ブディ総局長、シャリフ事務局長は、インドネシアの産業政策について説明。「日本からの投資家にはできるだけ会う機会を作りたい」と急きょ会合に参加したヒダヤット工業相は「私も実業界出身で、大臣に就任する前は商工会議所の会頭を務めた。政府は、インドネシアの産業発展に向け投資環境改善に取り組んでいる」と説明し、インドネシアへの投資を呼び掛けた。

■募集後、すぐ満員に
 産業人クラブは、一九六四年に栃木県で前身となる栃木工業人クラブが誕生したのが始まり。その後、関東から全国に広がり、現在は二十カ所以上で千七百人の会員を有する。
 今回の視察団には、東京、新潟、埼玉、神奈川、滋賀、茨城、群馬、静岡県掛川の産業人クラブの会員が参加。募集を開始してすぐに定員を上回る申し込みがあり、インドネシアに対する関心の高さがうかがえたという。
 自身の会社では和洋菓子用のオーブンや重点成形機などを生産する増田団長は「スラバヤを見て、ジャカルタに来たが、やはりジャカルタに一極集中している印象。中小企業としては、人件費や土地取得コストが安いことなどから、スラバヤ周辺に製造拠点を設立する選択肢もあるのではないか」と指摘。自社の協力工場が一九九八年にスラバヤ近郊に工場を立ち上げ、人材育成も順調に進めていることなどもあり、「非常に真面目な人々だ」と評価した。
 日本インドネシア経済協会の木下一会長とともに、日刊工業新聞とビスニス・インドネシアの提携や今回の視察団訪問の準備に奔走したゴーベルPPIJ会長は「インドネシアの経済が順調に成長している今こそが、投資を呼び込むための絶好のチャンス。インドネシアの経済発展のために、この機会を最大限に活用する必要がある」と強調した。
 視察団は七日、投資調整庁(BKPM)、パナソニックの現地法人などを訪問し、同日夜にバタム、バリの二班に分かれ、十日に帰国する予定。

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