「国家5原則に反する」 コーラン暗唱入試案を却下 国立ガジャマダ大の学長 経済学部長提案に対し
ジョクジャカルタ特別州にある国立ガジャマダ大学(UGM)経済・ビジネス学部長が、入試の採点対象に「コーラン暗唱」を加えるよう学内で提案、学長から「(国家5原則の)パンチャシラや憲法に反する」と却下されていたことが分かった。ドゥティックコムなどが報じた。
同大の内部文書によると、コーラン暗唱案は10月24日、経済・ビジネス学部内で決まり、同26日、学部長から企画・財務情報システム担当副学長へ提出された書面で正式提案された。
この後、何者かが内部文書を学外に流出させ、その画像がインターネット上で出回り始めた。「コーラン暗唱は他宗教を信じる人々に対して公平性を欠く」など批判的な意見も出た。
慌てた同大広報課は4日になって声明文を発表し、暗唱案が学長に却下されたことを強調。
さらに「国立大はいかなるバックグラウンドの者にも門戸を開いている。パンチャシラと1945年憲法、インドネシアの文化に基づいて学校を運営しており、入学制度もこれらに基づいている」と説明した。
入試制度におけるコーラン暗唱をめぐっては、国立ジャンビ大学が2016年、コーラン全30巻を暗記している7人の入学を許可した。
また、西スマトラ州パダン市のマヒェルディ・アンシャルッラ市長は昨年4月、「コーラン1巻を暗記すれば中学を、3巻で高校を好きに選んで入学できる。5巻で国立アンダラス大と国立パダン大学の入試で有利な扱いを」と提唱、コーラン暗記を奨励するため、入学制度を活用する考えを示した。(坂田優菜)