アニス知事が就任 「全ての約束果たす」 ジャカルタ特別州 

 アニス・バスウェダン前教育文化相(48)が16日午後、ジャカルタ特別州の新知事に就任した。州知事選では宗教冒とく罪に問われたキリスト教徒の元知事バスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)氏を相手に、イスラム色や礼儀正しさを打ち出して当選した。頭金なし住宅ローンや起業支援など選挙中に掲げた公約について「全てが実行されるよう、真剣に仕事に取り組んでいく」と意気込みを語った。                       

 白い制服を着たアニス氏と新副知事のサンディアガ・ウノ氏(48)は午後3時ごろイスタナ(大統領宮殿)に到着。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領によって任命された。任期は2022年までの5年間。
 アニス氏は就任式後、記者団に対し「選挙戦は終わり、準備は完了した。全ての約束を果たす時が来た」と抱負を述べた。具体的な取り組みについては言及しなかった。
 同氏は就任100日以内に優先的に取り組む政策として、頭金なし住宅ローン▽44郡に起業支援センター(OK—OCE)開設▽低所得者向け奨学金の教育カード(KJP)の拡充——などを挙げている。
 このほか前任のアホック氏が推し進め、知事選の争点の一つとなったジャカルタ湾での人工島造成は中止を掲げており、事業の行方が注目される。
 就任式ではジョコウィ氏と久しぶりのツーショットに注目が集まった。アニス氏は12年のジャカルタ特別州知事選と14年の大統領選で、共にジョコウィ陣営の広報を担当。政権発足と同時に教育文化相として初入閣したが、16年7月の第2次内閣改造で退任した。
 ジョコウィ氏との不仲もささやかれる中、就任式で両氏は笑顔で握手。だがその後はほとんど言葉を交わさずに式を終えた。ジョコウィ氏との会話について報道陣に尋ねられたアニス氏は「1、2日以内に会おうと招待された」と話した。
 就任式後、午後5時半ごろには州庁舎に到着し、支持者や報道陣が出迎えた。大勢の人が詰めかけるなどしてスケジュールが遅れ、この日予定していた州議会での就任演説は18日に延期された。
 州庁舎からはこれまでに届いたアホック元知事やジャロット前知事へのねぎらいの花輪が消え、アニス、サンディアガ両氏の就任を祝う花輪が並んで歓迎ムードを演出した。知事選を共に戦った政党員やボランティアたちが集まり、アニス、サンディアガ両氏に声援を送った。
 この日は夜まで州庁舎で音楽パフォーマンスや無料の食事が提供されお祭り騒ぎに。一般市民が楽しむ傍ら、イスラム強硬派団体のイスラム擁護戦線(FPI)や会場を見回る自警団「フォルカビ」の姿もあった。
 アニス氏とアホック氏による決選投票に持ち込まれた知事選はアホック氏の「コーラン侮辱発言」が引き金となり、FPIらイスラム団体が大規模な抗議デモを展開して混乱を招いた。アニス氏はイスラム団体の支持も取り付けた。
 アホック氏支持者も同氏の擁護集会を開くなど援護射撃したが、アホック氏は宗教冒とく罪で起訴され、被告人として知事選に臨むも敗北。禁錮2年の実刑判決を受けて収監され、約2年半で知事職を退いた。
 アホック氏と同氏を引き継いだジャロット氏の退任を惜しむ声も多い中、この日州庁舎で「ジャカルタを5年間率いてきたジャロット知事、バスキ知事、ジョコ知事に感謝したい」と述べ、選挙で対立した州民の和解を演出したアニス氏。住民の期待に応えられるか、その手腕が問われる。(木村綾) 

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