高裁所長と国会議員逮捕 KPK 裁判めぐる贈収賄容疑で 10万シンガポールドル授受

 汚職撲滅委員会(KPK)は6日、公金横領事件の裁判をめぐって賄賂を授受したとして、北スラウェシ州マナド市のマナド高裁所長のスディワルドノ容疑者を収賄容疑で、ゴルカル党会派の現職国会議員、アディティヤ・アヌグラ・モハ容疑者を贈賄容疑でそれぞれ逮捕した。地元メディアが報じた。
 調べでは、アディティヤ容疑者は、横領罪に問われた実母の身柄を拘束しないことを条件に2万シンガポールドル▽実母に無罪など軽い判決を出すことに8万シンガポールドル――の計10万シンガポールドル(約825万円)の賄賂をスディワルドノ容疑者に支払った疑い。
 6日夜、賄賂の授受現場になったのは中央ジャカルタにあるホテルの非常口付近。受け渡し後、アディティヤ容疑者はホテルのロビーで、スディワルドノ容疑者は他人名義で予約した同ホテルの部屋でそれぞれ逮捕された。
 アディティヤ容疑者の車からは1万1千シンガポールドル、スディワルドノ容疑者の部屋からは5万3千シンガポールドルが押収された。賄賂の残りは既にことし8月、スディワルドノ容疑者に先払いされたとみられる。
 アディティヤ容疑者の実母、マルリナ・モハ・シアハン被告は2001〜11年、北スラウェシ州ボアラン・モンゴンドウ県の知事を務めた。在任中の10年、県議用手当名目で公金12億5千万ルピアを横領したとして起訴され、マナド地裁はことし7月、禁錮5年と罰金2億ルピア、横領金返還の有罪判決を言い渡した。現在は、スディワルドノ容疑者が所長を務めるマナド高裁で控訴審が進行中だが、マルリナ被告には8月、病気を理由に拘置所からマナド市内の病院に身柄を移す許可が同高裁から出た。(中島昭浩)

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