年内に改修完了へ アジア大会の会場 ブンカルノ競技場 パナの照明システム納入
2018年8月18日に開幕するアジア大会に向け、中央ジャカルタのブンカルノ競技場の改修工事が進んでいる。進ちょく率は10月6日時点で改修する14施設が90%、緑地化を進める歩行者通路や駐車場などのエリアが45%に達し、年末までに完成する見通しだ。日本企業として唯一大規模設備を受注したパナソニックは、メーンスタジアムなど3施設への照明システムの納入を終えた。
ブンカルノ競技場には計27のスポーツ施設があり、改修は15施設で16年8月から順次進められている。国営建設アディカルヤなど7社が担当。総工費は約3兆6千億ルピアに上る。
同競技場は、スカルノ初代大統領が主導して1962年に完成。同年にインドネシアで初めて開催されたアジア大会以降、改修されていなかったメーンスタジアムの木製長椅子は、プラスチック製のシングルシート7万6152席に生まれ変わった。進ちょく率90%を超え、スタジアム周辺の整備を残すのみ。
国家官房管轄下のブンカルノ複合スポーツ施設管理センター広報部によると、改修は12月末に全ての施設で完了する。完成後は、施設ごとに国際基準を満たしているか、設備に不足がないかを試験やテスト競技を実施して確認する。5月には改修を終えたホッケー競技場が国際ホッケー連盟(FIH)から認証を取得した。
波形の屋根が新設された競泳場では、12月に国際基準の施設としての認証取得のため、国際水泳連盟(FINA)の調査を受ける。室内競技場のイストラ・スナヤンでは、18年1月23〜28日にバドミントンのインドネシア・マスターズ開催が決まった。
メーンスタジアムの照明システムは、パナソニックが受注。東京ドームなどと同等の照明610台をことし3月末までに納入。他に4月にイストラ・スナヤン、7、8月に競泳プールにそれぞれ120台、384台を納入した。また、ソーラーパネルもスタジアムと競泳場に設置した。
パナソニック・ゴーベル・エコソリューションズ・セールス・インドネシアの宮脇靖久社長は「50年以上ぶりの大改修に協力できて光栄。プレーしやすい角度に調整しつつ明るさを保つなど、国際サッカー連盟(FIFA)の基準に準拠するレベルの照明。会場の雰囲気作りなども合わせ、アジア大会全体に貢献できる」と自信を見せた。
もう一つの会場となる南スマトラ州パレンバン市のジャカバリン・スポーツ・センター(JSC)では、射的場とボート競技施設が3日までに完成。西ジャワ州にある17施設でも改修工事が進められている。(中島昭浩、写真も)