配車タクシー排除を バス運転手1000人がデモ スラバヤ市

 アンコット(乗り合いバス)の運転手約千人が3日、東ジャワ州スラバヤ市の州庁舎前でデモを実施し、増加し続けるオンライン配車タクシーを同州から排除するよう訴えた。                    

 地元メディアによると、デモ隊は州庁舎前にアンコット約900台と共に集結、州内でのオンラインタクシー営業禁止を訴えた。営業を認める場合には、運行台数を制限したり、駅や空港、病院など公共施設周辺での営業を禁止したりするよう要求した。
 一部のデモ参加者が、通常営業中のアンコットから乗客を降車させ、運転手にデモ参加を強要する場面もあった。負傷者は報告されていない。
 これに対し、同州のスカルウォ知事はデモ隊の代表者と面会。オンラインタクシーの運行台数を州全体で4445台、スラバヤ市で3千台にそれぞれ制限する案を提示して事態を収めた。面会後、デモ隊は解散し始め、午後4時までに撤収した。
 同州では9月25日、マラン市でも無許可のオンラインタクシーの営業停止を求めるデモが行われ、アンコットの運転手など約1200人が参加した。
 アンコット運転手らが不満を募らせる背景には、オンラインタクシーの多くが許可未取得のまま営業を続ける現状がある。陸上運輸組合(オルガンダ)スラバヤ市支部によると、東ジャワ州内のオンラインタクシーは、二輪・四輪合計で約4万台。10月までに営業許可を取得した四輪車は38台、手続き中は2380台にすぎない。
 アンコットなど既存業者、運転手の不満の高まりを受け、政府は4月、利用料金の上下限設定などを盛り込んだ改正運輸大臣令(2017年26号)を出してオンラインタクシーの規制に乗り出した。
 しかし、わずか2カ月後の6月、オンラインタクシーの運転手らが提訴した行政裁判で、最高裁は「(改正大臣令は)零細事業者であるオンラインタクシー運転手らの利益を損なう」と判断、11月1日までに大臣令を改定するよう命じて規制に待ったをかけた。
 運輸省側は現在、改定作業を進めているが、11月1日の期限に間に合わなかった場合、改正運輸大臣令は失効、オンラインタクシーの規制は後退を余儀なくされる。(中島昭浩)

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