導入1年で9477台摘発 奇数・偶数制度 「3イン1より効果的」
ジャカルタ特別州の目抜き通りの四輪車乗り入れ規制「奇数・偶数制度」導入から1年が経過した。警視庁交通局は3日、昨年8月30日から1年間の違反車両数は9477台だったと発表、ジャロット知事は以前の「3イン1」よりも効果があるとの見解を示した。
警視庁によると、違反数は免許証(SIM)6579枚、車両登録証(STNK)2897枚、盗難車1台の計9477台分だった。最近も違反車両は減らず、8月21〜25日は119台、28〜30日は172台が摘発された。
奇数・偶数制度は1カ月の試験導入を経て2016年8月30日に正式導入された。1992年から実施していた3イン1は、対象道路を通る際に1台3人以上の乗車を義務付ける仕組みを悪用し、人数合わせのために同乗して金を稼ぐことを仕事にするジョッキーが出現。子どもに睡眠薬を飲ませて同乗させ2人分の金額を稼ぐなどの犯行が相次ぎ社会問題となったため、アホック前知事が解決に向けて制度を切り替えた。
ジャロット知事は「住民にとっても3イン1よりも分かりやすく効果的」と奇数・偶数制度を評価。インフラ整備で深刻化するジャカルタでの交通規制は「通行を禁止するのではなく、規則を作って制限する」と話した。
同制度の対象となっている目抜き通りのスディルマン、タムリン両通りでは、9月12日から10月11日までの毎週日曜に二輪車の乗り入れ規制の試験導入が予定されている。アンドリ・ヤンシャ運輸局長によると、南ジャカルタ区クニンガンのラスナサイド通りは二輪車規制でなく、奇数・偶数制度を適用する方針という。
運輸省の首都圏交通管理庁(BPTJ)は、州運輸局などと協力してチカンペック高速に奇数・偶数制度の導入に向けた協議を進めている。29年までに公共交通機関の利用率を現在の25%から60%に引き上げ、渋滞の根源となっているジャカルタへの車両流入数や州内の車両数削減を目指す。
達成に向けて、9月7〜20日にはチカンペック高速に専用レーンを設け、朝夕の混雑時に西ジャワ州ブカシ市のメガ・モール・ブカシからジャカルタ中心部までを結ぶバス40台を試験運行させる。バス運行時間は午前5〜7時、午後4〜5時を予定している。
メガ・モール・ブカシを出発し、スマンギ交差点を通ってブンカルノ競技場やモールのfXスディルマンなどをそれぞれ結ぶ。今後中央ジャカルタのホテルインドネシア(HI)前ロータリーやタナアバン、スネンを結ぶバスも運行させる予定。(中島昭浩)