金38個、目標に届かず 東南ア大会 青年スポーツ相が謝罪
マレーシアで開催された東南アジア大会が30日、閉幕した。インドネシアは金メダル55個を目標に掲げたが届かず、38個で大会を終えた。2000年以降、最低となり、イマム・ナフラウィ青年スポーツ相は「この結果に対し謝罪しなければならない。責任を持って結果を評価する」と話した。
インドネシアの国別順位は参加11カ国中、シンガポールの金57個に次ぐ5位。マレーシアが145個で首位だった。インドネシア・オリンピック委員会(KOI)は大会約1週間前になって、目標を金61個から55個に下方修正したが、その目標にも届かなかった。
インドネシアが金を獲得したのは、陸上▽アーチェリー▽空手▽ウーシュー(武術太極拳)▽水上スキー▽重量挙げ▽競泳▽バドミントン▽ボーリング▽ボクシング▽自転車▽体操▽柔道▽プンチャック・シラット▽射撃▽テコンドー▽テニス――の17競技。最多は陸上の5個だった。
国技プンチャック・シラットの金メダルは全20種目中2種目のみで、マレーシアが10個で首位、ベトナムが3個で2位だった。主力が世界選手権に出場しているバドミントンも金2個に終わり、タイに金4個を許した。重量挙げはベトナムと並び金2個だった。
東南アジア大会での金メダル獲得数は、00年以降に開かれた大会で最低だった09年の43個を下回った。30日付日刊紙コンパスは1面で「インドネシアのスポーツに非常事態」と今回の失速を大々的に報じた。
同紙によると、代表選手らに新しい用具などが届いたのは大会の数週間前。これら用具を大会会場で調整しなければならない競技もあり、準備に影響が出た。選手の育成戦略、国内の競技施設不足を訴える声も取り上げた。
アーチェリーのリカーブ種目では、大会開始2カ月前に新しい弓が届いた。しかし、調整が間に合わず、古い弓を使用した結果、目標の金4個を獲得できた。自転車競技では新しく購入した自転車が通関手続きの問題で届かず、仕方なく古いマシンを使用したという。
18年に自国開催するアジア大会に照準を絞っているためと擁護する声もあるが、アジア大会実行委員会会長のユスフ・カラ副大統領は「掲げた目標に届かなかったことに失望している」と話した。イマム青年スポーツ相は「純粋にアスリートの問題なのか、審判の問題なのか、技術以外の問題なのかをKOIなど関係機関と共に評価する」と述べ、アジア大会での再起を誓った。(中島昭浩)