イ5位に 1ランク上昇 JBIC投資有望国ランキング 「インフラ展開に関心」

 国際協力銀行(JBIC)は二十七日、中央ジャカルタのインターコンチネンタル・ホテルで、昨年七月から十月にかけて日本の製造業を対象に実施した「二〇一一年度JBIC海外直接投資アンケート」の報告会を開催した。アンケートの中期的有望事業展開先国では、インドネシアが前回調査から順位を一つ上げた五位に上昇。主要業種別の有望事業展開先国では、自動車分野が、中国、インドに次いで三位となり、活況が続いていることをうかがわせた。 

 セミナーには、日系企業の駐在員ら約七十人が参加。JBICジャカルタ駐在員事務所の本間学・首席駐在員があいさつした後、JBIC国際業務企画室調査課の阿由葉真司課長が解説を行った。
 調査は、一九八九年から日本企業の海外の投資動向を把握することを目的に毎年実施している。
 製造業で、海外現地法人を三社以上(うち生産拠点一社以上)有する企業の日本本社に対し、海外事業展開の実績や中期的事業展開見通しなどのほか、今回は「東日本大震災サプライチェーン」「インフラの海外展開」について調査。
 調査票を送付した九百七十七社のうち回答を得た六百三社のデータ分析や企業訪問、電話ヒアリングの調査結果をまとめ、昨年十二月にウェブサイトなどを通じて公表した。
 売上高・収益の満足度評価の業績別では、自動車、電気・電子分野において、インドネシアが調査国の中で平均点が最も高かった。
 さらに、インドネシアで「新規進出・追加投資含め事業計画がある」と回答した企業の割合は四〇・七%で、具体的な事業計画を有する企業数は過去五年で三倍以上となり、インドネシア経済への注目度の高さが改めて浮き彫りとなった。
 インドネシアの課題として、他社との競争、未整備なインフラ、不透明な法制の運用などの回答が多かったが、反対にインフラの海外展開の関心分野別では、インドネシアは上水が三位(得票率一四・八%)、風力発電が三位(同一六・三%)となるなど高い関心を集めた。

■市場成長が魅力
 有望国・地域順位は、一位から四位までが中国、インド、タイ、ベトナムで、ブラジルとインドネシアが五位で並んだ。回答社数では、前回調査よりインドネシアが三十八社増、タイが三十社増、ブラジルが十八社増となった。
 有望理由として前回調査に続き「現地マーケットの今後の成長性」が上位で、需要拡大が期待される新興国への関心が高まっている。
 中国、インドの一位、二位は変わらなかったが、労働コストの上昇などを背景に回答の得票率がやや低下。また、カンボジアが初めての二十位以内となる十六位にランクインした。
 阿由葉課長は、今回調査で有望国の五位となったブラジルについて、資本金十億円未満の企業でみると、六位になったことに触れ「中小企業にとっては物理的にも遠く、投資意欲が低くなっている」と分析した。

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly