高温地点が前年比49%増 先月、スマトラなどで観測
ウィラント政治・法務・治安調整相は3日、スマトラ、カリマンタン両島などで7月に観測された高温地点(ホットスポット)の総数が前年同月を49%上回ったことを明らかにした。高温地点は森林・泥炭地火災発生場所の指標で、乾期の続く9月ごろまで延焼拡大と煙害被害の深刻化が懸念される。地元メディアが報じた。
同調整相によると、降水量が前年より少なかったことが高温地点増加の主要因とみられる。対策として、農地開墾のため野焼きを行う企業の取り締まりを強化する。農家には焼き畑以外の開墾方法を指導しながら、有機肥料配給などの対策も取るという。
特に火災被害の深刻なスマトラ、カリマンタン両島では、取り締まりに当たる警察官や救助隊員数を増やす。消火用飛行機の増強も検討する。
泥炭復興庁によると、ことしの森林・泥炭火災は主にアチェ、バンカブリトゥン、ジャンビ、リアウ、南スマトラ、西カリマンタン、南カリマンタン、東カリマンタン、中部カリマンタン各州で発生。原因のほぼ半分は、企業による開墾目的の野焼きという。
気象庁によると、4日午前7時11分現在の高温地点数は、スマトラ島26、カリマンタン島2、パプア・マルク島1、スラウェシ島4、ヌサトゥンガラ諸島8の計41カ所。(上村夏美)