渋滞緩和、事故減少 航空機利用が増加 レバラン帰省
1860万人が移動したレバラン(断食月明け大祭)休暇の帰省(ムディック)とUターンラッシュで、昨年同時期と比べ、ことしは各地で渋滞が緩和し、事故も3割減少した。交通機関別では航空機の利用者が約530万人でトップ、昨年比で7%増加した。
帰省者は昨年の1810万人から約2.5%増加した。運輸省や公共事業・国民住省、警察などが協力し、レバラン前後の6月18日〜7月2日の2週間、渋滞状況の監視と交通整備▽未完成の高速道路の一時供用▽一方通行の専用道路設置▽高架道路の建設――などの対策が功を奏しただけでなく、ことしは有休取得奨励日(チュティ・ブルサマ)や学校休みと重なったこともあり、帰省が分散されたことも渋滞緩和につながった。
運輸省によると、ここ4年間で航空機の利用者増加が目立っており、ことしは昨年の492万人から7.67%増の約530万人が利用した。行き先のほとんどがバリ州と中部ジャワ州ソロ、ジョクジャカルタ特別州、北スマトラ州メダンだった。航空機の利用者は4年前と比べると31%増加している。
国営空港管理第2アンカサプラは7日、スカルノハッタ空港の利用客は6月15日〜7月3日間で360万人を超えたと発表した。航空機利用者のUターン帰省は16日ごろまで続くという。
ブディ・カルヤ・スマディ運輸相は、18年のレバランに向け「ジャワ島ではジャカルタとスラバヤの空港の利用者が集中している。中部ジャワ州ソロとスマランをハブ空港として活用していく」と話した。
一方、ことしのオートバイ利用者は639万台で昨年から33.5%増加。国道を利用した車は28.7%増の約319万で、高速道路は3%増の約425万となった。列車の利用者は440万人で7.5%増加した。
■高架道路で混雑緩和
中部ジャワ州トゥガル〜プルウォクルト間では4カ所で、95カ所以上ある踏切を避けて通行できるよう高架道路を開通させた。
バスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相によると、四つの高架道路により踏切を渡る必要がなくなり、各踏切の停車時間も平均約5分のみで、計8時間の短縮に成功。渋滞で14〜16時間だった同区間の所要時間が、ことしは約5〜6時間となった。
さらにジャワ島横断高速道路の一部で昨年、20キロ、30時間を超える渋滞が発生した中部ジャワ州の東ブルブス料金所では、建設中の同料金所〜バタン県グリシン〜プマラン間を一方通行専用道として供用。渋滞は約3キロと大幅に緩和された。
■死者は500人減少
事故件数は昨年のレバラン時期と比べ、16年の4551件から30.4%減少し、3168件となった。国家警察交通局によると、交通事故による死者数は742人で、昨年の1261人から519人減少した。重傷は687人(昨年比40%減)、軽傷は4366人(同23%減)だった。事故の多発地点の監視を強化し、スピード違反やカーブでの追い越し、定員外乗車などを厳しく取り締まったことが成果を上げた。(アリョ・テジョ、毛利春香)