非嫡出子を認定 男性の民事責任を要求 血縁証明にDNA鑑定 憲法裁

 非嫡出子の父子関係の認定を争った婚姻法(法律一九七四年一号)の違憲審査で、憲法裁判所はこのほど、科学的に血縁関係が証明されれば、非摘出子は摘出子の身分を取得し、父子として親子関係が認められるとの司法判断を下した。
 憲法裁は、非嫡出子の母子関係だけを認めている婚姻法二条は、基本的人権を保障する憲法に反すると認定。女性が男性との性交渉なしに妊娠することはあり得ず、妊娠させた男性の民事責任を不問にすることは公平ではないと指摘した。
 父親に対する非嫡出子の権利をはく奪することは不適切であり、父子として法的に認められなければならないとし、非嫡出子は嫡出子として法的保護を受ける権利があると判断した。
 マーフッド憲法裁長官は「この判定が下された段階で、非嫡出子が民事登録されていない事実婚(婚姻届を提出せず、イスラムの教義上で夫婦と認定される婚姻関係=ニカ・シリ)や不倫関係で生まれたとしても、民事上、父親との父子関係が認められることになる」と説明した。
 この訴えは、スハルト元大統領の腹心として活躍した故ムルディオノ元国家官房長官の元妻で、歌手のアイシャ・モフタルさん(芸名モチチャ・モフタル)が、ムルディオノ氏との間に生まれた息子の嫡出子認定を訴え、婚姻法の違憲審査を憲法裁に請求したもの。
 ムルディオノ氏との事実婚で子どもを生んだモチチャさんは憲法裁の判断を歓迎し、「息子と夫の関係について、夫の他の子どもたちと話し合いたい」と話した。
 イスラム団体の統轄機関、イスラム指導者会議(MUI)のウマール・シハブ氏は「父親が子どもの認知を拒否する場合、DNA鑑定を受け、血縁関係の有無を立証しなければならなくなった」と述べ、子どもを認知したがらない男性の一方的な主張に左右されず、科学的根拠に基づいた証拠が必要となったことを評価した。
 また、イスラム法では非嫡出子の遺産相続権は認めていないが、民事上、父子関係が認められることで、相続権を保有することが可能になるとの見解を示した。
 児童保護委員会のイフサン事務局長は「DNA鑑定などで父子の関係が証明されれば、男女の婚姻にかかわらず、父子関係を登録できるようになった」と述べ、非嫡出子が直面している問題の解決につながると歓迎した。


■一夫多妻の条件を審査
 現行の婚姻法の条項を問題視した違憲訴訟はこれまでにもあった。二〇〇七年には男性実業家が、一夫多妻となるための条件の厳守を義務付けた婚姻法は、離婚を防ぐためとする一夫多妻の本来の目的に反するとして、違憲審査を請求。
 しかし憲法裁は、妻の許可を得た上で裁判所から認可されなければ一夫多妻は認められないとの規定は合憲と判断し、訴えを棄却した。
 この際、当時のジムリー・アシディキ憲法裁長官は「一夫多妻自体、イスラムが広まるはるか前から存在し、イスラムの教義が生み出した新しい制度ではない」と指摘。「イスラムはむしろ、このような既存の一夫多妻を段階的に秩序あるものにしようとした。男性の思うままに一夫多妻を認めるのではなく、女性の尊厳を守ることが目的だった」との見解を示し、複数の妻に対する公平な扱いが条件となると強調した。

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