日本支援で実験室完成 ウイルス合同研究に活用 ボゴール農科大に BSL 3 

 ボゴール農科大学(西ジャワ州ボゴール市、IPB)の獣医学部構内に、バイオ・セーフティー・レベル(BSL)3の実験室がこのほど完成した。国際協力機構(JICA)や日本の大学などが支援。オオコウモリが持つウイルスなどの研究を合同で進める。獣医学部でBSL3の実験室を持つのは、インドネシアでは同大が初めて。
 実験室整備は、名古屋大、山口大、東京農工大がIPBと協力して進めている合同研究プロジェクト「オオコウモリを対象とした生態学調査と狂犬病関連及びその他のウイルス感染症への関与」の一環。オオコウモリが保有するウイルスの研究を安全に実施するために導入された。
 オオコウモリは、ヒトに感染すると生死にかかわる病気を発症させる複数の病原体を持つ。高い飛行能力で広範囲にウイルスを飛散させてしまうため、潜在的に新興感染症を引き起こす可能性があるという。
 8日に落成式が行われた実験室は、日本の技術を用い、運転費用をできるだけ抑えられるよう設計された。日本側の主任研究者である名古屋大の本道栄一教授は「初動時は日本が主として行動するが、運営の比重は今後、相手国側に移していけるよう、インドネシア側からのサポートが得られるように努力していく」と話した。
 合同研究プロジェクトが始まったのは2015年。期間は5年間で、インドネシアに生息するオオコウモリが持つウイルスや飛行パターンなどの行動の解析を進めている。また狂犬病や関連する感染症などについても研究している。
 JICAと国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の支援を受けている。(毛利春香) 

◇ バイオ・セーフティー・レベル(BSL) 細菌やウイルスなどを取り扱う実験施設の分類のことで、世界保健機構(WHO)が定めている。BSL3では、ヒトや動物に重篤な病気を起こすが、通常ヒトからヒトへは伝染せず、有効な治療法・予防法がある病原体を扱う。
 レベル別の分類は、レベル1がワクチン製造時などに利用される人に無害な病原体▽レベル2は食中毒やはしか▽レベル3は結核菌や鳥インフルエンザ、狂犬病▽レベル4は致死率の高いエボラウイルス――などの病原体をそれぞれ取り扱うことができる。

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