高架路線で試験開始 トランスジャカルタ Uターン地点で渋滞悪化

 首都圏専用バス「トランスジャカルタ(TJ)」初の専用高架路線で試験運行が始まった。この結果、バスが乗り降りする高架道路の西端で渋滞が深刻化。Uターンする場所の確保や道路拡幅など、6月の開通予定に向け、ジャカルタ特別州とバンテン州タンゲラン市の自治体間で最終調整を急いでいる。

 州営トランスポルタシ・ジャカルタ(TJ)は6日、車両20台を使い運転手や乗務員への訓練などを含めた高架路線の最終運行試験を始めた。
 しかし、ジャボデタベック運輸運営機関(BPTJ)の調査によると、同路線西端の南ジャカルタ区ラヤ・チレドゥッグ通りにあるブディルフル大学前停留所付近で渋滞が深刻化した。
 車両が乗り降りする坂道を確保したため、同通りの道幅が3.2メートルから2.7メートルに狭まり、片道2車線から1車線に減少。高架道路の西端から、車両がUターンしているバンテン州タンゲラン市の商業地区セントラル・ビジネス地区(CBD)チレドゥッグまでは、平均時速35キロ、渋滞は約200メートルだったが、ジャカルタ中心部に向かう逆方向では同4キロ、同1キロと悪化した。
 このため、西端から2.2キロの住宅地「プリ・ベタ」に場所を確保し、Uターン地点をジャカルタ側に近づけることで、渋滞を緩和させる方針だ。プリ・ベタでUターンすれば平均時速が8キロまで上がるという。また、ブディルフル大学前停留所の道路を拡幅し、西端付近の混雑を解消する。
 タンゲラン市のアリフ・ウィスマンシャ市長はこれまで、ショッピングモールや住宅地が集中するCBDチレドゥッグへの乗り入れを推進してきた。BPTJによれば、高架路線を延伸することで車利用から乗り換える人が30%増えると見込む。
 タンゲラン市は延伸に向けて、拡幅のための土地収用と高架道路の設計や環境影響調査(アムダル)を終え、バンテン州政府からも環境許可を取得しているが、渋滞や許認可などの問題をTJ側などと協議し、路線延伸は来年に持ち越す見込みになったと明らかにした。
 高架路線は東端のトランスTVビル前(南ジャカルタ区テンデアン)〜ブディルフル大学前の全長9.3キロを約30分で結ぶ。6月22日のジャカルタ誕生記念日の開通を目指す。
 ジャロット・ジャカルタ特別州知事代行は近くアリフ市長と高架路線を視察する予定。(中島昭浩、写真も)

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