日本の「食」知って 拡大する市場めがけ来イ 食品メーカー13社が商談会
「日本の食文化をさらに世界に広めよう」と、日本の地方の中小食品メーカーを中心とした十三社がジャカルタを訪れ、十六日、南ジャカルタのホテル・ムリアで日本食商談会に参加した。商談会は十七日まで。日本の農林水産省による輸出倍増サポート事業のマッチング対策(農林漁業者等向け商談会支援)の一環で行われ、日本へわさびなどを輸出している食品商社のVOXトレーディング社が実施。市場規模が縮小していく日本と対照的に、堅調な経済成長で中間層・富裕層が拡大する魅力的なインドネシア市場への事業進出や拡大の足がかりにしようと、会場に訪れたインドネシアのレストラン、輸入食スーパー関係者に、それぞれの自慢の商品をアピールした。
農林水産省は二〇一〇年から海外向け商流拡大のため、世界各国で輸出志向のある食品メーカー等と現地サプライヤー、レストランとのマッチングの場を設けている。インドネシアでは二〇一〇年十二月に続く二度目の開催。
VOXトレーディングの永谷健一代表取締役会長は「インドネシアは可処分所得五千ドル以上の中間所得者層が七千三百万人となり、発展目覚ましい国だ。日本の安心で安全、健康をキーワードに、新たなビジネスチャンスを見つけてほしい」と商談会開催の背景を説明した。
■ 「日本食需要まだ増加」
商談会の前には、ゲストスピーカーとして招待された日本食レストラン「鳥元」のオーナー・吉武力さんが「インドネシアの日本食事情と弱者の戦略」と題して講演した。
一九七〇年代は、ジャカルタに四店しかなかった日本食レストランが増加した歴史を紹介した後、自身の米国での体験から「ジャカルタの日本食市場は飽和状態だという意見もあるが、日本食ブームと消費の拡大に乗り、まだまだ伸びていくだろう」と強調。
現在すでに、日本のお菓子を模した商品が市販されていることを例に出し、「本腰を入れて取り組んでほしい。そうでないと、日本のお家芸まで他の国にさらわれてしまうことになる」と呼び掛け、販売機会を逃さず、消費地に根ざした経営を行うことが大切だと訴えた。