あす、ワイサック 仏教徒、各地で準備大詰め
仏教徒にとって最大の行事であるワイサック(ブッダの生誕、悟りと死を祝う日)を11日に控え、インドネシア各地では仏教徒らによる寺や仏像の掃除や飾り付け、観光客受け入れなどの準備が、大詰めを迎えている。
中部ジャワ州トゥマングン・シンドロ山のウンブル・ジュンプリットでは、僧侶らが聖水をくむ儀式が5日から続けられてきた。9日にはタイの僧侶も参加。また、同州グロボガン県のマンガルマス村では同日、聖火を授かる儀式が開かれた。聖火と聖水は、中部ジャワ州マグラン県の世界遺産ボロブドゥール寺院遺跡まで運ばれる。
ボロブドゥール寺院は、ワイサックの日にあわせて海外からも多くの観光客が訪れる最も有名な観光地の一つ。同州マグラン県警は、約1500人を警備隊として配置する。
ジャカルタ特別州内でも10日の夜から、各地の仏教寺院でワイサックが祝われる。西ジャカルタ区タンボラの住宅街にある3階建てのマイトレヤ・タンボラ寺院では、信徒らが毎週1回集まり、掃除をしたり、共に夕食をとったりしている。普段は参加者が数十人ほどだが、ワイサックの時期は、倍以上の人が集まるという。
同寺院近くに住み同寺院に通っているリナさん(62)は「掃除は毎週やっているし、ここは小さなお寺だからワイサックに向けて特に改めて準備したことはないの。だけど、皆で集まってお祝いすることが大切」と話した。
中央統計局(BPS)によるとインドネシアにおける仏教徒の割合は1%にも満たないが、この時期は多くの仏教徒が仏教遺跡に訪れる。(上村夏美)