アニス氏大勝 得票率60%に迫る アホック氏を引き離す ジャカルタ特別州 知事選決選投票

 ジャカルタ特別州知事選の決戦投票が19日に行われた。民間調査機関の開票速報で、前教育文化相のアニス・バスウェダン氏(47)が、現職バスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)氏(50)に大差を付けて勝利を確実にした。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の後任知事として、矢継ぎ早に斬新な行政改革を打ち出したアホック氏は過激な言動などで失速。ムスリムを中心とする有権者は穏健な教育者アニス氏を首都の顔に選んだ。 

 民間調査機関インドネシア調査サークル(LSI)が、州内各地の350カ所の開票結果を基に独自集計した結果によると、得票率は、アニス・サンディアガ組が57.67%、アホック・ジャロット組が42.33%だった。別の調査機関インドバロメーターはアニス組58.50%、アホック組41.50%で、17ポイント引き離したとの結果を発表した。
 アニス組は、第1回投票(2月15日投開票)の得票率39.95%に、前回で敗退したアグス・ハリムルティ・ユドヨノ氏の17.06%をほぼすべて上乗せし、東ジャカルタや南ジャカルタでは60%を超えたとみられる。一方で、アホック組は前回42.99%から微減した。現職知事が敗北するのは過去3回の直接選挙のうち前回に続く2回目。
 総選挙委員会(KPU)のアリフ・ブディマン委員長は同日夕、投票率は前回の77.10%とほぼ同じになるとの見方を示した。
 アニス氏は同日午後5時ごろ、最大野党グリンドラ党本部で会見し、「(候補者間の)違いを強調する時期は過ぎ去り、ジャカルタの全州民が団結する時が来た」と強調。国家5原則パンチャシラにある「全国民の社会正義」を実現するために全力を尽くしたいとあいさつした。
 独走態勢だったアホック氏の再選を阻止するため、アニス氏を担ぎ出したグリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首に対し、勝利ムードに沸く党本部では「次期大統領」との歓声が巻き起こった。
 一方、アホック氏は同日夕に開いた会見で敗北を認め、アニス氏に祝意を伝えた。「任期が終了する10月までの6カ月、全力を尽くして残された宿題に取り組みたい」と話した。(配島克彦、8面に関連)

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