支持率で1位 汚職騒動の民主党 CSIS調査 野党 受け皿にならず 「政党全体に信頼欠如」

 シンクタンク・インドネシア国際戦略研究所(CSIS)は十三日、一月十六―二十四日まで行った政党支持率調査の結果を西ジャカルタ・パルメラのCSIS事務所で発表、党首にも疑惑が掛かる汚職騒動で揺れる国会第一党・民主党は一二・六%で支持率一位を確保した。CSISは、二〇・八五%の得票率を獲得した二〇〇九年の国会議員選挙と比べて「支持率は劇的と言えるほど下落した」と分析。一方で民主党が一位にとどまったことについては、最大野党の闘争民主党(PDIP)や与党内にありながら政権や民主党批判を展開するゴルカル党などが、民主党に失望した層の支持を集められていないと指摘。民主党への期待度は下がりつつも、それ以外の党が受け皿になっていないことが浮き彫りになった。

 ほかの調査機関が発表した世論調査では、ゴルカル党や闘争民主党の支持率が民主党を逆転する結果が出ていたが、スニ・タヌウィジャヤ調査員は「われわれの調査結果では、民主党に代わりうる選択肢がないことを示している」と分析した。
 支持率二位はゴルカル党で一〇・五%。三位は闘争民主党で七・八%。以下、民族覚醒党(PKB)が四・四%、福祉正義党(PKS)が三・一%、グリンドラ党が三%と続いた。
 CSISは、民主党以外の各政党も軒並み支持率を落としていることについて「批判をするのみという戦略に頼らず、支持を集めることのできる働きがなければならない」とし、「政党そのものへの信頼感が低下している中では当然の結果だ」と批判した。
 各機関別の働きの評価に関する調査では、政党の働きを評価すると答えたのは二二・六%にとどまり、指導力が欠如しているとの批判が報じられている大統領が五五・三%、汚職対策の遅れが指摘される中で汚職撲滅委員会(KPK)が五〇・七%の評価を獲得したことに比べて極めて低くなっている。支持政党なしは四八・四%に上った。
 CSISは支持を集めている政党がない状況から、構図が選挙前に固まっていた一九九九年、二〇〇四年、〇九年とスハルト政権退陣後に行われた三回の国会議員選挙と比べて、次回は「非常に拮抗した争いになる」との観測を示した。

■アジア3位に
 CSISは先月、米ペンシルバニア大が発表した「世界シンクタンク・ランキング」で、米国以外の国のカテゴリーで三十八位に入った。
 アジアでは中国、インドのシンクタンクに続いて三位。日本の日本国際問題研究所(JIIA)は三十八位だった。
 CSISは一九六五年の九・三〇事件(共産勢力のクーデター未遂)後の混乱期に、反共運動にかかわった学生指導者や若手知識人らいわゆる一九六六世代を集めて一九七一年に発足。スハルト政権の経済協力、外交・安全保障戦略を支えた。日本外務省は両国関係強化に貢献したとして、二〇〇八年に外務大臣表彰を授与した。

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