スカイウオークに屋台街 バンドンに木陰の新名所 テラス・チハンプラス
西ジャワ州バンドンに誕生した新名所「テラス・チハンプラス」。ファッション街として知られるチハンプラス通りに、全長450メートル、幅9メートルのスカイウオークが完成し、観光客でにぎわっている。
通りから階段を上がると、生い茂る樹木の下に広々とした通路が伸びる。そこにバッソ(肉団子)やジュース、シャツなどを売る売店が整然と並ぶ。木陰のベンチに座れば、階下とは別世界が広がる。
これまでチハンプラス通りは、繊維の街バンドンの繁華街として、ジーンズやシャツなどを売る衣料店が軒を連ねてきた。週末になるとジャカルタからの買い物客が押し寄せ、歩道にはカキリマ(移動式屋台)があふれる。バンドン中心部の南北をつなぐ数少ない通りの一つでもあり、一方通行の狭い道路は終日大渋滞。ここをもっと快適な観光地にしようと、自治体が乗り出した。
著名建築家でもあるバンドン市のリドワン・カミル市長肝いりのプロジェクト。「狭い場所では道路の上の空間を活用する」とのコンセプトからデザインを練り、「いつの日か、地上でも車もオートバイも見ずに歩ける街角を」との願いを込めたという。
混雑の原因にもなっていたカキリマの収容場所も兼ねた。調理場などを完備したカラフルな構えの192店が並ぶ。売店の賃料は無料。入居者が負担するのは清掃・警備・設備費のみ。トイレも多数設置し、車椅子用のスロープやエレベーターもある。ジャカルタにも作ってほしい、と思わせる新名所だ。(配島克彦、写真も)