タクシー料金に下限 配車アプリの規制強化 来月から設定

 ブディ・カルヤ・スマディ運輸相は21日、オンラインタクシー乗車料金の下限を各地方自治体に設定させるなど、新たな規定を盛り込んだ大臣令を4月1日に施行すると発表した。料金格差を是正し、抗議活動を激化させる既存タクシーとの共存を図る。             

 ブディ運輸相は、配車アプリを使った四輪タクシーの営業許可取得などを定めた運輸大臣令(2016年32号)の11項目を改正する。
 料金設定は、地方自治体と運輸局、情報通信局で協議し、基本となるオンラインタクシー料金の下限と上限を地域ごとに決定する。決定権は各地方の首長と首都圏はジャボデタベック運輸運営機関(BPTJ)局長に付与された。これにより、地場系ゴジェックなどの配車アプリ事業者は、割引などで極端に安い料金を設定できなくなる。
 ブディ運輸相は「オンラインタクシーが営業を続けるための法整備と既存タクシーの保護に向けた改正」と説明、競合が激化するオンラインタクシーの保護にもなると強調する。
 オンラインタクシーは通勤・通学、降雨など予約が殺到する混雑時に、料金が平常時の数倍に跳ね上がることがあり、上限を設定することで消費者を保護する。また、昼過ぎなど利用者が少ない時間帯に破格の料金を設定するケースがあり、下限を設定することで運転手の最低限の取り分を保証するとしている。
 改正では他に、地域ごとに運行するオンラインタクシーの車両数の上限を定めて乗客の偏りを防ぐ。車検と車両登録証(STNK)の規制緩和、オンラインタクシー事業への課税、配車アプリの監視なども規定した。
 オンラインタクシーに乗客を奪われた既存タクシーや乗り合いバスの運転手は各地で抗議運動を展開。3月初旬には、バンテン州タンゲラン市と西ジャワ州バンドン市で衝突し、配車アプリ「グラブ」の運転手が乗り合いバスに追突されて負傷する事件も起きた。
 市街地の治安悪化にもつながりかねないとして、ティト・カルナフィアン国家警察長官は21日、国家警察本部でブディ運輸相やルディアンタラ通信情報相と協議。ビデオ会議で各自治体と結び新規定を周知した。ティト長官は会議後、「抗議活動の沈静化に努める」と語った。
 改正される運輸大臣令は、既存タクシー運転手が昨年3月中旬に実施した2回の大規模デモを受け、同年4月に発令された。「オンラインタクシーは違法」とする見解を修正し、配車アプリ事業者の営業を法的に認めた。二輪タクシーに対する規制はまだない。(中島昭浩、写真も)

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