汚職騒動収まらず 揺れるユドヨノ民主党 政権の求心力低下も

 ユドヨノ大統領率いる国会第一党の民主党が、汚職騒動に揺れている。昨年八月に汚職撲滅委員会(KPK)に逮捕された民主党の会計担当幹部だったムハンマド・ナザルディン被告がアナス・ウルバニングルム党首らの汚職事件への関与を暴露し、党内のアナス氏支持派と不支持派の対立が表面化。一連の騒動は連日地元メディアで報じられ、残り任期が二年半となったユドヨノ大統領の求心力低下にもつながる事態に発展している。退役将校のユドヨノ氏を大統領選に擁立するために二〇〇一年に設立された民主党は、クリーンさを一つの売りに緻密な選挙戦を進め、躍進を遂げてきたが、一連の騒動でイメージに大きな傷が付いた形だ。

 ナザルディン被告はSEAゲーム(東南アジア選手権大会)選手宿舎建設事業に絡む汚職事件で逮捕された。同事件でKPKは今月三日にアンジェリナ・ソンダク民主党副幹事長を容疑者に断定。焦点はアナス氏に捜査が及ぶかに移ったが、連日疑惑が報じられているアナス氏の政治的ダメージは大きく、すでに党首辞任は不可避な情勢だ。
 ユドヨノ大統領は五日、騒動の鎮静化を狙って国民向けに民主党の現状に関する演説を行ったが、憶測が上がっていたアナス党首更迭の発表は先送り。八日にはナザルディン被告が深夜に弁護人らと密会していた事実が発覚するなど、民主党をめぐる騒動は収まる気配を見せていない。

■ 「躍進の再現は困難」
 英字紙ジャカルタポストのエンディ・バユニ前編集長は同紙で、「政党への支持率が劇的に下降していることは驚くことではない」として、事態の解決に及び腰なユドヨノ大統領の姿勢を批判。
 ゴルカル党や闘争民主党(PDIP)に代わり、インドネシアで最も洗練された政党になる可能性があった民主党が汚職騒動に巻き込まれていることは「不幸なことだ」と嘆き、二年後に迫った総選挙で民主党が二〇〇九年の選挙での躍進を再現するのは難しいだろうとの見解を示した。

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