【アルンアルン】統計データあれこれ
世界銀行や世界保健機関(WHO)、国連教育科学文化機関(ユネスコ)などの国際機関が特定分野に関する各国の統計データを公表しており、その多くが簡単にアクセスできることはよく知られているだろう。一方、インドネシアでは中央統計庁(Badan Pusat Statistik)が中心となって統計事業が管轄されているが、そのほかにも日本と同様にインドネシア中央銀行や各省庁のホームページでそれぞれの事業に関連した統計のデータベースや一覧ページが作成されている場合がある。以下では社会統計を中心に紹介したい。
観光省のホームページでは毎年の外国人観光客や国内旅行者、宿泊施設、レストラン事業者の数がまとめられている。このほか、国際観光収支、他の主要輸出品と比較した観光分野での外貨獲得量などの関連データも見ることができる。また通信情報省でも関連分野のデータが豊富だ。年齢、職業別インターネット利用者数や電子政府、電子商取引に関する統計データをはじめ、さらには放送事業者、封鎖されたウェブサイトの数など体系的に掲載されている。
一方、青年スポーツ省では同省で作成された統計資料が一覧でき、それらをPDFでダウンロードすることも可能だ。若者の人口、教育、労働事情、健康状態、スポーツなどに関する統計情報が入手できる。最後に、海洋水産省では州別の漁獲量、養殖生産量や塩の生産量のほか、魚の消費量、自然保護区、国立公園エリアの面積についてもデータを公表している。
各省庁のホームページの構造は多種多様で、初見では目的の各統計データにたどり着くまでに苦労することもあるかもしれない。また対応言語もインドネシア語のみの場合もあるので注意が必要である。とは言え、各省庁では統計データの提供に工夫を凝らし、時には思わぬ情報が公表されていることもある。どのようなデータが入手できるのか、一度探してみることをお勧めしたい。(アジア経済研究所図書館研究情報整備課・土佐美菜実)