トウガラシの苗 5万本植え付け 農業省、価格高騰受け
トウガラシの高騰が続く中、苗5万本を植える活動が、農業省主導で昨年11月から続いている。旗振り役のアムラン・スライマン農業相はこのほど、価格高騰が著しいランプン州を訪れ、「全土でトウガラシ栽培に取り組んでいる。価格抑制に作用するだろう」との楽観的な見通しを示した。
また、栽培の具体策について同相は「気候の安定を望むだけでなく、各地にトウガラシ栽培の専門家を派遣し、栽培を技術的にサポートする」と述べ、トウガラシ増産に注力する考えを強調した。
政府の施策とは別に、民間企業がトウガラシの苗を産地に送るCSR(企業の社会的責任)活動も展開されている。
南ジャカルタのクニンガンに住む商社勤務のハルトノさん(55)はトウガラシの栽培について「一つのビジネスチャンスになる可能性もある」と指摘した上で、「庭に苗を植えて育てているが、成長したときの鮮やかな色は美しいので、育てることに熱中する人もいるだろう」と説明。栽培の注意点として「生育期間が長いので肥料や水を毎日きちんとあげないといけない」と話した。
トウガラシの小売価格は昨年10月ごろから上がり始めた。地域によっては、チャベ・メラ(赤トウガラシ)が現在も1キロ当たり14万ルピア程度で売られている。
食卓の必需品トウガラシの価格が高止まりする状況下、中部ジャワ州ウォノソボでは、農園からトウガラシ7キロを盗んだとして、45歳の男性が自警団らにより拘束されるなど、各地で盗難事件も発生している。(平野慧)