スナヤン〜HI貫通 1年4カ月で掘削完了 MRT 大統領「19年3月に開通」

 ジャカルタ特別州の大量高速鉄道(MRT)地下工区となる南ジャカルタ・スナヤンの青年の像前〜ホテルインドネシア(HI)前の5.9キロが貫通した。中央ジャカルタのスティアブディ駅を視察したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は23日、2019年3月にMRTを開通させたいと話した。 

 地下工区は、北側のHI前〜スティアブディ駅(2.01キロ)と、南側のスティアブディ駅〜スナヤン駅(3.89キロ)の二つに分かれており、6駅を設ける。2015年10月、スナヤンの青年の像前を皮切りに本格的なトンネルの掘削工事を開始した。
 インドネシアで初となるシールド工法を採用し、筒型の掘削機「シールドマシン」計4機が24時間態勢で、南北からそれぞれスティアブディ駅に向かって、計4本のシールドトンネルを掘り進め、1年4カ月で完了した。
 北側は三井住友建設と国営建設フタマ・カルヤのJV(共同事業体)が、南側は清水建設と大林組、国営建設ウィジャヤ・カルヤ、ジャヤ・コンストルクシ・マンガラ・プラタマによるJVが、それぞれの工区を担当している。今後は駅舎や出入り口、換気塔の建設などを進める。
 地下工区は南ジャカルタ・ルバックブルス〜HI前間(15.7キロ)を結ぶ第1期工事の一部。第2期工事ではHI前〜北ジャカルタのカンプン・バンダン間(同8.1キロ)を結び、南北計23.8キロがつながる計画だ。
 ジョコウィ大統領は、地下工区のスティアブディ駅に足を運んだ。谷崎泰明駐インドネシア日本大使やアホック・ジャカルタ特別州知事、リニ・スマルノ国営企業相、ブディ・カルヤ・スマディ運輸相、バスキ・ハディムルジョノ公共事業・国民住宅相も視察に訪れた。
 ジョコウィ大統領は19年3月に遅れることなく運行できるよう求めたうえで、「今後も(MRTに限らず)インフラ開発を急ぐため、建設費は国家予算や地方予算のほか、政府と民間企業が協力するPPP(官民パートナーシップ)も活用し、資金を調達していく」と話した。
 MRT南北線は日本の円借款により13年8月に着工。ブディ運輸相によると、南北線の第1期工事の進ちょく状況は地下工区で79.8%、地上工区で49.1%となっており、ルバックブルス〜HIの全体では約65%に達しているという。
 今後はさらにMRT第3期工事として、西ジャワ州チカランからジャカルタを経由し、バンテン州タンゲラン県バララジャまでをつなぐ計87キロの東西線の建設を20年に開始したいとしている。(毛利春香、写真も)

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