五輪出場の大目標に挑む インドネシアのプロツアー テニス学生王者が初参戦 早大庭球部の小林雅哉さん

 2016年の全日本学生テニス選手大会(インカレ)のシングルスで初優勝した、小林雅哉さん(19)と所属する早稲田大学庭球部が、インドネシアのプロツアー「インドネシア・フューチャーズ」に参戦している。海外ツアーへの大規模遠征は同部初。海外プロ選手との対戦を通して世界のレベルを肌で感じるための機会で、20年の東京五輪出場という大きな目標に挑戦する。
 同プロツアーは、男子プロテニス協会(ATP)大会の一つ。世界ランキングの基準となるツアーポイントを獲得できるカテゴリーのうち、一番下の「フューチャーズ」に分類され、優勝者には18ポイントが付与される。2〜26日、中央ジャカルタ・スルタンホテル敷地内にあるテニスコート(全8面)で計3戦を開催。1戦ごとの賞金総額は1万5千ドル。
 6〜12日に行われた第1戦では、小林さんがベスト16に入り、1ポイントを獲得した。雨による試合中断など、日本と異なる環境だが、「今はポイントを獲得することが目標。イライラするのを抑えられている」と集中力を保つ力も身についた。
 13日から始まった第2戦初日は、小林さんと一緒に遠征に参加している同部所属の松崎勇太郎さん(23)と坂井勇仁さん(20)、島袋将さん(19)が、そろって予選に出場した。第2戦は19日までで、第3戦は20〜26日に開催される。
 海外遠征の発起人は、庭球部の渡邉隼ヘッドコーチ(32)。同部は16年の全日本大学対抗王座決定試合で12連覇を飾ったが、「12連覇しているが海外に出ていないことに遅れを感じた。フランスや米国の大学はもっと海外に出ている」と話す。
 また、学生王者の小林さんが同年10月、全日本選手権で初戦で敗退。コーチ在任5年目にして厳しい結果を突きつけられたことも、「通用する部分、しない部分、世界基準が見えてくる」と海外ツアー参戦を決意させる理由の一つとなった。
 ツアー参戦のためには1人25万円ほどの費用がネックだったが、賛同したOB会からの渡航費や宿泊代などの支援が背中を押した。遠征先にインドネシアを選んだのは、春休みの時期と重なったため。中国でも大会があったが時期が合わなかったという。
 目標としている東京五輪のシングルス出場枠は男女各64人で、1カ国・地域当たり最大4人が選出される。日本人選手は錦織圭さんを筆頭に世界ランク200位までに8人が入っているため、選考に入るには最低600ポイント、世界ランキング100位以内が必要とされている。
 小林さんの世界ランキングは1172位(13日現在)。日本にはフューチャーズの大会が5〜6大会あり、全てに優勝すれば約100ポイント。その後、上位の大会でポイントを稼げば、全仏など4大大会の予選に出場できる目安の130位以内も夢ではない。渡邉さんは「遠征はポイント獲得の旅。今後も長期休みを利用しての海外遠征を計画している」と語った。(中島昭浩、写真も)

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