高速通信網の整備事業 敷設工事が最終段階に 19年の運用開始へ向け

 国内全土に光ファイバーを用いた高速通信網を敷設し、インターネットでつなぐ「パラパ・リング」事業が、2019年の運用開始を前に最終段階を迎えている。現在、第2期工事が進んでおり、ルディ・アンタラ通信情報相は8日、「18年末にも全工事が完了する」と強調した。                               
 同計画は、インドネシア政府初の大規模な通信環境整備事業。全34州514県・市を東部、中部、西部の3エリアに分け、地上2万1708キロ、海底3万5280キロの計約5万6988キロに及ぶ光ファイバーの基幹通信回線で結ぶ。
 1998年に始まったが、アジア通貨危機でいったん頓挫し、ユドヨノ政権下の2009年、民間資金を活用するPPP(官民パートナーシップ)事業として再始動した。
 12年までの第1工期では、全体の85%に相当する約4万8千キロの敷設作業が完了した。16年2〜9月には、残り約8500キロの海底ケーブルを敷設する第2期工事の入札があった。
 その結果、東部と西部は、シンガポールとバタム島、ジャカルタを結ぶ海底ケーブルの敷設実績を持つモラ・テレコムニカシ・インドネシア主体のコンソーシアムが、中部は通信敷設大手レン・テレコムニカシ・インドネシア主体のコンソーシアムがそれぞれ受注した。西部と中部はすでに着工し、マルク、東ヌサトゥンガラ、西パプア、パプアの4州で構成される東部も3月までに工事が始まる予定。
 第2工期の総事業費2億3064万ドルは、国営銀行や国営通信テルコム、通信大手などが拠出した。官民連携事業のため、いずれも15年間の事業運営許可期間が設定される。
 「パラパ・リング」計画の名称は、広大な群島国家で一元的なテレビ放送を実現した通信衛星「パラパA1」にちなんだ。
 19年の運用開始後、都市部のインターネット通信速度は最低1秒で20メガバイト、村落部で同10メガバイトを、上り下り両方で確保する。ルディ通信情報相によると、「最大で同100ギガバイトの通信」が可能になるという。
 16年の米調査会社アカマイ・テクノロジーズによる調査で、インドネシアの通信速度は平均で1秒6.4メガバイト。日本は同18.0メガバイトだった。(中島昭浩)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

クナパくんとブギニ先生NEW

私のじゃかるた時代NEW

編集長の1枚NEW

キャッチアイ おすすめニュースNEW

インドネシア企業名鑑NEW

事例で学ぶ 経営の危機管理

注目ニュース

マサシッ⁉

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

有料版PDF

修郎先生の事件簿

メラプティ

子育て相談

これで納得税務相談

おすすめ観光情報

為替経済Weekly