韓国がLRT車両受注 ヒュンダイ 16両、短い納期に対応

 韓国の鉄道車両メーカー、現代(ヒュンダイ)ロテムがこのほど、ジャカルタ特別州内で建設が進む次世代型交通システム(LRT)に使用する車両16両(1編成8両を2本)を、約3300万ドルで受注した。15カ月という短納期に対応できるとした同社が選ばれた。現代ロテムは2018年に開かれるアジア大会で、安全で高品質な韓国製の電車を提供し、今後インドネシアでの受注を拡大したい考え。 

 州営建設ジャックプロによると、ヒュンダイロテムが受注した車両は、北ジャカルタで建設が進むクラパガディン〜南ジャカルタ区クバヨラン・ラマ間(21.6キロ)の第1フェーズにあたる、北ジャカルタ・クラパガディン〜東ジャカルタ区ラワマングン間(5.8キロ)で使用される。
 ジャックプロのサティヤ・ヘラガンディ社長は、設計から生産完了まで通常なら約28カ月間かかるが、同区間のLRTはアジア大会が開かれる18年8月までの開通を目指しており、15カ月以内で車両の納入が可能であることが第1条件だったと説明した。
 今回の車両については、中国やスペインの企業も入札したが、短い納期に対応できず候補から外れたという。サティヤ社長は「期限の他に品質や仕様、価格などもあわせて検討した」と話した。
 ヒュンダイロテムによると、納期が迫っていることを受け、同じく韓国の車両メーカーである宇進産電(ウージン)と協力することを決めたうえで、入札に臨んだ。ウージンの車両は北スマトラ州メダンのクアラナム空港鉄道で運行されているほか、スカルノハッタ空港内で建設が進む、ターミナル間を結ぶ無人運転車両(APMS)スカイラインで、鉄道の通信システムなどを手がける国営レン・インダストリと共同で車両などを担当している。
 今回のLRTでは、ヒュンダイロテムが車両の設計や走行装置を、ウージンが車両生産や試運転などをそれぞれ担当する。アジア大会開始前の18年7月から納入を開始し、10月にはすべての車両をそろえる予定。さらに今後1年以内には110車両の発注がある見込みで、実現すれば合計の受注額は約2億ドルとなる。
 同社は東南アジアでは、昨年のフィリピンやマレーシアなどに続く受注となった。同社の関係者は「東南アジアでの受注が増加傾向にあり、確実に成長している。今回はアジア大会での乗客輸送に携われるということもあり、高品質で安全な車両の生産に全力を尽くす」としている。
 ブディ・カルヤ・スマディ運輸相は7日、同じくアジア大会の開催地でLRTの建設が進む南スマトラ州パレンバン市の進捗状況は、35%だと明らかにした。全長24.5キロの工事は18年6月に終了予定だという。
 一方、ジャボデタベック地域(首都圏)のLRT建設の進捗状況は約12%。区域別では、東ジャカルタ区チャワン〜西ジャワ州チブブル間(14.5キロ)で約19%、チャワン〜西ジャワ州東ブカシ間(17.1キロ)で約7%、チャワン〜中央ジャカルタ区ドゥクアタス間(10.5キロ)で1.2%となっている。
 同区間の計42キロを、ことし末までに60%、18年には工事を全て完了させ、19年5月の運行開始を目指す。(毛利春香、写真も)

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