試作モデルを初公開 8月の完成目指す 大統領肝いりの国産商用車
工業省はこのほど、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の指示で開発された、国産商用車の試作モデルを初公開した。部品の国内調達率は100%。主にプランテーションなどで、農作物や肥料の運搬に使用されることを想定して設計された。
地方自治体や自動車、部品メーカー、職業専門学校(SMK)と協力して開発を進めてきた。10万キロのロードテストや排ガス検査は既にクリア済みで、ことし8月の完成を目指す。
各地方の特性に合わせてカスタマイズする方針で、全国34州での試験走行も実施する。
エンジンの排気量は1000cc。起伏のある地形や泥道に対応できるよう、四輪駆動が採用された。
開発の背景には、農村で普及している「グランドン」と呼ばれる旧型の輸送車から、近代的な商用車への切り替えを進めたい政府の思惑がある。
グランドンは3輪、4輪などさまざまな種類の車体がある。オープンドアの車両が多く、国の安全基準を満たしていないものが多い。また、改造による過積載などの問題が指摘されてきた。
実際の販売価格は未定。アイルランガ・ハルタント工業相は、所得水準が比較的低い農村部対象の事業であることを踏まえ、「1台当たり(カスタマイズなしの本体価格で)6千万ルピア以下で販売したい」と期待を込める。
国産商用車の開発をめぐっては、ジョコウィ大統領が2015年、地方での移動手段としての利用や、農業利用を想定して開発を進めるように指示、計画が進んでいた。(平野慧)