150億円を追加投資 トヨタが生産拡張 5万台加え年産23万台に 「予想超える市場の伸び」
トヨタ自動車は八日、現地製造法人のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)社が、西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)にあるカラワン第二工場の年間生産能力を十二万台に引き上げると発表した。同工場の起工式を行った昨年九月には、生産能力を七万台としていたが、さらに五万台の生産能力増強を行い、カラワン第一工場と合わせ、二〇一四年には二十三万台体制とする。今回百五十億円を追加投資し、前回発表時の二百六十三億円と合わせ、第二工場への総投資額は四百十三億円。インドネシアの国内自動車市場が、予想以上のスピードで拡大していることから、半年で当初の見通しを上方修正した。
第二工場の新設・能増で約千五百人の新規雇用を見込む。同工場は二〇一三年初めに、年間七万台の能力で稼働を開始し、一四年初めに、計十二万台の能力に引き上げることを予定している。これまでに第一工場で製造してきたキジャン・イノーバ、フォーチュナーと合わせ、第二工場では新型車も生産する予定。政府が検討する低価格・低燃費「エコカー」向けの税制優遇策を視野に入れているとみられる。
■ 布野副社長が来イ
トヨタ自動車の布野幸利副社長が来イし、南ジャカルタの工業省で八日、ヒダヤット工業相、投資調整庁(BKPM)のギタ・ウィルヤワン長官(兼商業相)、ブディ・ダルマディ最先端技術活用主要産業総局長らと会談を行った。
その後の記者会見で、ヒダヤット工業相は「トヨタのインドネシア販売は世界で、米国、日本、中国に次いで四番目」「部品供給会社などの関連企業を含め、新規に二万九千人の雇用を創出することになる」と評価。布野副社長は七万台の能増となった経緯について「インドネシアの成長ペースが想像以上だった」と追加投資の理由を説明した。また、同副社長は「インドネシアを自動車輸出拠点に育成していくべく努力していきたい」と述べ、輸出の拡大を目指すインドネシア政府の方針に貢献していく意向を強調。カラワン第二工場で生産する車種の中から、東南アジアや中近東、アフリカなどへの輸出を行う方針を示した。